藤原竜也はなぜ“ヤバいキャラ”がハマるのか 巧みな人物造形で魅せる演技力
ストイックと評される藤原だが、演者としての意識は役から離れた場所にも表れている。バラエティ番組の『藤原竜也の三回道』(テレビ東京)や『藤原竜也の番組 フジタツ猪突猛進撃!!』(WOWOW)で親交のあるゲストにいたずらを仕掛ける表情には、少年のような茶目っ気とサービス精神が垣間見える。芝居がかっているようで、その実「素」でもある所作や計算のない笑顔は、虚構と現実の境界を歩む役者の天分を示すものに他ならない。
『鳩の撃退法』は、こうした藤原竜也らしさが発揮される条件を備えている。映像化困難と言われた複雑なプロット、物語の造物主であるいわくつきの主人公、そして現実とフィクションが交錯する舞台設定。藤原自身が「現場で『難しいな』と言いながら苦労しながらも楽しく撮影しました」(引用:『鳩の撃退法』公式サイト 7/12(月)実施 トークイベント&完成披露試写会レポート)と語るように、本作にはストーリーを血肉化し、人物を介して作品の世界観を立ち上げる演技のエッセンスが注ぎ込まれている。まさしく藤原竜也が私たちに放つ渾身の挑戦状であり、俳優としての到達点を示す『鳩の撃退法』に期待しかない。
■公開情報
『鳩の撃退法』
8月27日(金)全国ロードショー
出演:藤原竜也、土屋太鳳、風間俊介、西野七瀬、佐津川愛美、桜井ユキ、柿澤勇人、駿河太郎、浜野謙太、岩松了、村上淳、坂井真紀、濱田岳、ミッキー・カーチス、リリー・フランキー、豊川悦司
原作:佐藤正午『鳩の撃退法』(小学館刊)
監督:タカハタ秀太
脚本:藤井清美、タカハタ秀太
製作幹事:松竹、電通
配給:松竹
制作プロダクション:AOI Pro.
制作協力:松竹撮影所、松竹映像センター
(c)2021「鳩の撃退法」製作委員会 (c)佐藤正午/小学館
公式サイト:https://movies.shochiku.co.jp/hatogeki-eiga/
公式Twitter:@hatogeki_eiga