『青のSP』藤原竜也が毒親問題の核心を突く スクールポリスの真価が試される最終章

『青のSP』藤原竜也が毒親問題の核心を突く

 教育の問題は難しい。学校教育は誰もが通る道ですべての人が当事者と言える。また生徒や教師だけでなく、家庭の問題も包含している。ある意味、正解がないのが教育かもしれない。なぜそう思ったかと言うと『青のSP(スクールポリス)―学校内警察・嶋田隆平―』(カンテレ・フジテレビ系)が「毒親」の問題を取り上げていたからだ。

 毒親とは子どもに悪影響を及ぼす親のことで、子どもの人生を支配したり、直接・間接に傷つけたりする。『青のSP』第9話には異なるタイプの毒親が登場する。井上双葉(唯藤絵舞)の母・弥生(西尾まり)は娘に芸能活動を続けさせるため、通信制高校への進学を希望。相良恭子(石井薫子)は帰国子女がいる学校に行きたいと思っていたが、母親の律子(堀内敬子)は、家業の病院を継がせるために医学部付属に進むように主張していた。毒親の決まり文句は「あなたのためを思って言ってる」。自分の価値観を押し付ける親たちには、子どもの気持ちなど眼中にない。

 涌井美月(米倉れいあ)の場合は事情が異なる。面談に現れた父親の龍夫(宮本大誠)は「あぶっちゃけ俺は中卒でもいいと思ってる。進路先なんてどこでもいいんだよ」と言って娘に掴みかかる。家庭の事情で未来を閉ざされそうになりながらも、美月は夢に向かって努力していた。図書館で尾崎香澄(鈴木梨央)と建築の本を広げて楽しそうに話す。その佳澄も実父である教育委員長の尾崎賢治(升毅)と確執を抱えていた。月に一度の面会で「もう帰ったら? そっちの子ども、今年お受験なんでしょ」と冷たく突き放す。そっけない言葉の裏には、高校受験を控えて親に甘えられない寂しさが隠れていた。

 香里(明日海りお)が生きていたら、毒親に苦しむ生徒たちに何と言っただろうか? 「子どもたちが苦しんでるなら、味方でいてやれ。誰のものでもない人生を歩ませてやれ」。隆平(藤原竜也)の言葉は、毒親問題の核心も突いていた。弥生に「親子の問題だ」と断った上で「あんたは娘を利用して人生の生き直しを図ろうとしているだけだ」と言い切る。律子には「家族の病理は連鎖する。いま断ち切らないと、彼女は一生あんたを恨んで生きることになる」と諭す。毒親を一方的に悪いと断じるのではなく、自身にかけられた呪いに目を向けさせた。

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