『竜とそばかすの姫』、細田作品最高の大ヒットスタート 夏休みは映画に行こう!

『竜とそばかすの姫』細田作品最高のスタート

 先週末の動員ランキングは細田守監督の『竜とそばかすの姫』が土日2日間で動員45万9000人、興収6億8000万円をあげて初登場1位に。公開から3日間の累計で動員は60万6684人、興収は8億9166万3200円とオープニング成績9億円に迫る大ヒットスタートとなった。

 細田作品は2006年の『時をかける少女』以降、必ず3年おき、必ず夏休みに公開(そこには東映まんがまつりを前身とする東映アニメフェア出身の細田監督の強い意志がある)されてきたので、興行成績の定点観測に適している。今回の『竜とそばかすの姫』のオープニング興収は2018年公開『未来のミライ』の約78%アップ、2015年公開の『バケモノの子』の約2%アップ(当時まだ東宝配給作品は土曜日公開だったので土日2日間の比較)、2012年公開の『おおかみこどもの雨と雪』の約84%アップ(同じく土日2日間の比較)と、過去最高の数字。細田作品の過去最高興収は『バケモノの子』の58.5億円となるが、『竜とそばかすの姫』はそれを超える可能性が十分ある。

 今回、作品を追うごとに興収を伸ばしてきた作家が、一度大きなダウン(『未来のミライ』の最終興収は28.8億円)を経て、もう一度上昇に転じたことになったわけだが、このことはとても重要だ。特に『おおかみこどもの雨と雪』以降の細田作品の共通した特徴は、称賛すべきポイントを挙げればキリがないし、問題視すべきポイントを挙げてもキリがないーーというのが、自分の偽らざる認識なのだが、前作『未来のミライ』では後者の声が上回り、今作『竜とそばかすの姫』では前者の声が上回ったということなのかもしれない。いずれにせよ、細田監督が作品ごとに大きな話題を提供する正真正銘のヒットメイカーであることが改めて証明されたわけで、今回の成功によって今後も当分は「3年おきの夏休みの楽しみ」が保証されたと言っていいだろう(もちろん、細田監督自身がそれを望み続け、作品を作り続ければだが)。

 さて、東京オリンピックの一方的な都合によって2年連続でカレンダーが強制的に変更されて、本日(7月22日)から日本全国は真夏の4連休に突入した。映画館の速報値を見る限りでは、うだるような連日の暑さにもかかわらず、再び上昇に転じた新型コロナウイルス感染者数にもかかわらず、そして東京都(と沖縄県)で発出中の4回目の緊急事態宣言にもかかわらず、映画館の客足が減少している様子はない。明日からは東京オリンピックが正式に開幕するが、現在の状況を見る限り、それが映画興行に及ぼす影響はプラス(テレビでオリンピックを見るくらいなら映画館に行く)はあってもマイナス(テレビでオリンピックに釘付けで映画どころではない)はなさそうだ。音楽フェスや花火大会をはじめとして、夏の大型イベントも続々と中止になっている中、映画館が人々にとってのオアシスとなっているのも当然のことだろう。

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