初登場3位『ブラック・ウィドウ』 「映画館締め出し」問題よりも大きい問題とは?

「映画館締め出し」問題よりも大きい問題とは

 先週末の動員ランキングは、『東京リベンジャーズ』が土日2日間で動員38万6000人、興収5億2800万円をあげて初登場1位に。初日からの3日間で動員は51万1145人、興収は6億9643万4440円。昨年3月以降、新型コロナウイルスのパンデミック期に入ってからの興行は期待されていた多くの作品が苦戦する一方で、主に若い観客層をターゲットにした作品が予想以上の大ヒットを記録する傾向があるが、『東京リベンジャーズ』もそんな作品の一つと言えるだろう。ちなみに、一部で映画化の企画そのものが疑問視されていた『100日間生きたワニ』はトップ10のはるか圏外。初日からの3日間の動員は1万5657人興収は2222万8200円。『東京リベンジャーズ』の30分の1以下の成績となった。

 さて、先週末、自分が最も注目していたのは、本コラムで再三触れてきたように、今年に入ってから邦画メジャー系列の映画館やシネコンに締め出されているディズニーの新作にして、約2年ぶりのマーベル・シネマティック・ユニバース映画、『ブラック・ウィドウ』の結果だ。同作は土日2日間の動員が14万1000人、興収が2億1900万円で動員ランキングでは初登場3位に。ディズニープラスでの配信(プレミアアクセス)前日、公開日となった7月8日(木)から4日間の動員は23万4817人、興収は3億5976万9340円。マーベル・シネマティック・ユニバース映画の前作となるのは2019年6月に公開された『スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム』となるが、その『スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム』は818スクリーンでの公開、『ブラック・ウィドウ』は267スクリーンでの公開。約3分の1の公開規模となっている。オープニング成績も、『ブラック・ウィドウ』の方が集計期間が1日多いにもかかわらず、約3分の1の結果に終わった。

 もちろん、単独作は今作が初めて(そして最後)となるブラック・ウィドウと、マーベル・シネマティック・ユニバース入りする以前から日本で幅広く認知されてきたスパイダーマンの新作を単純に比較することはできないが、ディズニープラスでの配信との絡みという点では、いつか解決するであろう「日本のディズニー作品締め出し問題」とは別の問題が今回改めて浮き彫りにされた。

 全米では7月9日(こちらはディズニープラスでの配信と同日。ちなみに日本のような一部の映画館による「ディズニー作品締め出し」はおこなわれてない)から公開された『ブラック・ウィドウ』。コロナ・パンデミック後に公開された作品では最高記録となる約8000万ドルのオープニング興収をあげたが、映画メディアからは初日の金曜日から土曜日の下落率の高さが指摘されている。DEADLINEの記事(参照:“Black Widow” Catching $40M+ Friday On Way To Potential $90M+ – Deadline)によると、『ブラック・ウィドウ』の興収は初日の金曜日から土曜日に41%ダウン。その後も、過去のマーベル・シネマティック・ユニバース映画と比べると明らかに低調な興行が続いている。同記事では、熱心なマーベルファンはこれまで通り公開初日に映画館に駆けつけたものの、パンデミックの余波や心理的影響もあって、ライトファンがまだ映画館に行くことに抵抗を覚えているのではないかという分析がされている。



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