原田泰造×磯村勇斗×三宅弘城のサウナーが再び 『サ道』はコロナ禍以降の現在をどう描く?

『サ道』はコロナ禍以降の現在をどう描く?

 7月9日から放送がスタートするドラマ『サ道2021』(テレビ東京ほか)の第1話を、ちょっと緊張して待っていた。

 数週間前からテレ東で流れていて、公式サイトにもアップされている予告CMには、「新しい日常に誰もが最初は不安になっていたけれど、少しずつ楽しみ方を見出そうとしている。いつかまた、好きな時に、好きな場所で、好きな人と整うことができる。そんな日が来ることを願ってーー」という主人公ナカタアツロウ(原田泰造)のモノローグが入っている。つまり、現在が新型コロナウイルス禍であることを反映させて、物語を描いていく、ということである。

 ただ、サウナの場合、そこ、けっこう微妙で難しくないか? と、心配になるのである。

 たとえば、同時期に始まる『孤独のグルメ Season9』(テレビ東京ほか)であれば、「コロナ禍でもがんばっている飲食店を応援しよう」みたいな内容で充分だ。主人公の五郎さん(松重豊)、『孤独のグルメ』というタイトルが表しているように、もともと「孤食の人」だし、お酒を一切飲まないので、コロナ禍においては「以前と変える必要一切なし」という意味で、都合がいいし。

 しかし。サウナはそういうわけにはいかない。以下は、僕個人のここ1年半での体感だが、サウナブームが本当に爆発的に広がったのは、一回目の緊急事態宣言が解除になって以降、である。

 いやいや、一回目のドラマ『サ道』が放映された時でしょ、だってあの時の影響、すごかったじゃん、という声もあろう。いや、それより前でしょ、だってそもそもサウナがブームになったからこそ、テレ東で『サ道』の企画が通ったわけだし。という意見もあると思う。

 が、一回目の緊急事態宣言が明けて、クローズしていたサウナ・スーパー銭湯・銭湯(は、生活必需品なのでサウナだけ閉める形で営業していた)などがオープンして以降、普段自分が行かないエリアにある、東京・神奈川・千葉・埼玉の、スーパー銭湯や日帰り温泉やサウナなど、トータル30軒以上に行ってみた、僕の実感としては、そうだ。あ、これ、「普段行かないところ」の話です。「普段から行くところ」を合わせると、40軒以上になります。

 で。どの店舗においても、「コロナ禍前」「コロナ禍以降」で、これまでのどのタイミングよりも目に見えて大きく、サウナ人口が増加したことを実感した。

 たとえばスーパー銭湯・日帰り温泉のサウナ。どこの店舗も、入れる人数を通常より抑えている、というのもあるが、サウナの前に5人6人、多い時は10人以上並ぶのがあたりまえ。週末ともなれば、それ以前に、その温浴施設に入るために20分30分並ぶこともある。

 コロナ禍で、旅行などのほかの娯楽を封じられた分、サウナなどの温浴施設に、人がなだれ込んでいるのだと思う。20代から30代前半くらいの、若い男が目に見えて増えたことが、それを表していると思う。

 でまた、若い男ってひとりで来ないのよね。集団で来るのよね、3人とか4人とかで。で、集団で来るもんだから、しゃべるのよね。「黙浴」って貼ってあるのに。これ、けっこう、社会問題に近いレベルにまでなっていると思う。

 街のサウナも然り。錦糸町のニューウィングや笹塚のマルシンスパ、横浜のスカイスパ、『サ道』の3人のホームである上野の北欧などの人気サウナからは、もうすっかり足が遠のいてしまった。混むので。行くなら夜中の3時とかを狙うしかない。

 銭湯も同じくで、中目黒の光明泉、池尻大橋の文化浴泉、渋谷区東の改良湯などの、新しくてきれいないわゆるニューウェイブ銭湯、すっかり行かなくなった。正確に言うと、一回行って、こりた。

 で、そうじゃない、古いけど清潔で評価の高い銭湯も、どこも以前よりも客足が上がっている。で、やはり、「若い男が複数で」パターンも、増えている。

関連記事

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「国内ドラマシーン分析」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる