ただの財閥ドラマでない アップデートされた韓国ドラマ『Mine』の注目ポイントを解説

『Mine』はただの財閥ドラマでない

見た目だけじゃない“私のもの”を守る彼女たちの美しさ

 『Mine』がただの財閥ドラマでない理由は、“私のもの”を守る彼女たちの物語にある。ヒスは女優を辞めてヒョウォン家の家族になった後も、自分を持って生きてきた。そして、誰に対しても愛情深く人を疑わないヒスは、裏切られたことをきっかけに正義や常識を捨ててまで大事なものを守り抜くために強くたくましくなっていく。

 ソヒョンは性的マイノリティだが、スヒョンのいる世界がそれを許すわけがなく、初恋の彼女と別れてからも彼女のことをいつも想っていた。また、息子のスヒョクに対して、ヒスのように息子を溺愛していなければ、息子として接したこともない。だが、唯一スヒョクを“ひとりの人間”として向き合ったのはソヒョンである。財閥に生まれた時点で人生が決められているスヒョクにとって、自分の選択を受け止めてくれる存在が一番必要だった。2人の美しさは見た目だけが理由ではない。たとえ実母でなくても、好きな相手が誰であっても“偏見のある世の中”を壊して“守りたいもの”があるから、美しいのだ。

 さて、中盤戦も終わりに差し掛かってきた『Mine』は、あの冒頭で起きた事件に映った死体が誰なのか、ヒョウォン家と関わりのある人物の繋がりも見えてきた。とはいえ、なぜそのような事件が起きたのか、彼女たちが高い壁を乗り越えるためのプランの全貌、シスターエマはなぜ高級バッグを持っているのか、まだまだ謎を回収し切れていない。気になって仕方ない事件の真相を追う楽しみな気持ちと、どうか彼女たちに明るい未来を掴んでほしいという願いを終盤に託したい。

■ヨシン
韓国作品中心に愛を叫ぶ。一日三膳三ドラマをモットーに、毎日作品に触れる。ソウルフードはトッポッキ。ヨシンは韓国語で「女神」のことです。悪しからず。Twitter

■配信情報
『Mine』
Netflixにて独占配信中

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