佐藤健×有村架純『るろうに剣心』対談 巴役オファー秘話からお互いの存在までを語り合う
2012年公開の『るろうに剣心』から始まった映画『るろうに剣心』シリーズのラストを飾る2部作『るろうに剣心 最終章 The Final/The Beginning』。主人公・緋村剣心と、剣心の“十字傷の謎”を知るシリーズ最恐の敵・縁の戦いが描かれる『るろうに剣心 最終章 The Final』(4月23日公開)に続き、剣心が自らの手で惨殺した妻・雪代巴との壮絶な過去と、剣心の“十字傷”に秘められた真実が明かされる『るろうに剣心 最終章 The Beginning』(6月4日公開)で、シリーズはついに完結を迎える。
『The Final』での佐藤健と武井咲のインタビューに続き、今回は『The Beginning』から佐藤健と有村架純にインタビューを行った。1作目から緋村剣心を演じてきた佐藤と、『るろうに剣心』の物語における重要人物・雪代巴役でシリーズ初参加となった有村。それぞれの思いと、2人の関係性とはーー。
佐藤「もし有村さんがダメだったら、撮影に踏み切っていない」
ーー映画『るろうに剣心』シリーズのラストを飾る作品にして前日譚となる『The Beginning』のエピソードは、佐藤さんにとっても大きな思い入れがあったそうですね。
佐藤健(以下、佐藤):それはもちろんありました。剣心のキャラクターのバックボーンとなるようなエピソードなので、やっぱりここを描かずには終われないなと。時系列で描かれてきた今までの作品と比べても、本当に別の作品を撮るぐらいの感覚でした。キャストも大部分が変わっているので、現場の雰囲気も全然違いましたね。スタッフの方々は同じでしたけど、使っているカメラとかも違ったので、みんな“違う映画を撮る”という感覚は共通していたと思います。
ーー有村さんは『るろうに剣心』という人気シリーズに初めて参加することになりました。途中から新たに参加するのはどのような気持ちでしたか?
有村:本当に受けてよかったのかな、本当に自分でいいのかな、ということはかなり考えました。皆さんが10年の思いをかけて作ってきた作品ですし、そこに参加するのはとても勇気が必要でした。
ーー恐さやプレッシャーもあったと。
有村:皆さんが本当に待ち望んでいたエピソードだということは、大友監督からもプロデューサーさんからも伺っていましたし、『るろうに剣心』は巴がいないと成立しない物語だということは私も理解していたので。自分の中にはそこに対しての向上心もあったので、挑戦させていただきました。
ーー有村さんが巴を演じることについて、佐藤さんはどう受け止めていたんですか?
佐藤:もし有村さんがダメだったら、撮影に踏み切っていないと思います。有村さんが「やらない」と言っていたら、『The Beginning』は完成してないですね。有村さんにオファーしてみようという話になってから返事が来るまで、僕自身も緊張していたと思います。ちょうどそのとき、NHKで会ったよね?(笑)
有村:えっ、会いましたっけ?
佐藤:たぶん俺が朝ドラ(『半分、青い。』)撮ってるときに、別件でNHKに来てて、その話をした気がする。
有村:あ! しましたね。
佐藤:そこで「ぜひやりたいと思っています」って言ってくれたんだよ。喜んだ覚えがある(笑)。
有村:あはは!(笑)そうだったっけ?
ーーそんなエピソードがあったんですね(笑)。有村さんの中で断るという選択肢もあったんですか?
有村:いや、それはなかったですね。大友(啓史)さんが声をかけてくれたということもあり、単純にうれしかったので。その前にお世話になった『3月のライオン』の現場では、今までに味わったことがないような気持ちになったんです。普通、テイクを重ねていくと、ちょっと新鮮味がなくなったりしていくものだと思うんですけど、逆に、すごく流れるように人の気持ちが入ってくるようになるというか……。その感覚を覚えていたので、また大友さんの現場に参加してみたいと思いました。健さんとご一緒するのも初めてではなかったので、皆さんを信頼して、ついていこうと。
ーー映画『何者』(2016年)などで共演されたときとはまた違った向き合い方になったのではないでしょうか。
佐藤:そうですね。意図して接し方を変えたりとかは当然ないんですけど、基本的に剣心と巴、2人の物語なので、やっぱり自然と変わっていきましたね。
有村:そうですね。私的には今回、現場でよく喋ったかなと思うんですけど……(笑)。
佐藤:自分が?
有村:うん。
佐藤:あ、そう(笑)。
有村:映画のお話がお話なので、全然違うテンションのところにはいかなかったですけど……。
佐藤:逆に全然違うテンションのところにいくことはあるの?
有村:(笑)。全然何も考えずに楽しくしゃべるときはもちろんありますよ。でも、現場だとどうしても、あまり喋れないんですよね。現場じゃないところのほうが割り切って喋れるかな。たぶん、自分の中で切り替えるポイントがあるんだと思います。今回は健さんと2人でいることがほとんどだったので、よくお話していた記憶があります。