ピクサー過去作と共通する実体験をもとにした物語 『あの夏のルカ』監督が制作秘話を語る
6月18日よりディズニー公式動画配信サービスDisney+(ディズニープラス)で独占配信される『あの夏のルカ』の制作秘話が明らかになった。
本作は、第84回アカデミー賞短編アニメーション賞にノミネートされた、ピクサーの短編アニメーション『月と少年』を手がけたエンリコ・カサローザ監督が、美しいイタリアの港町を舞台に描くサマー・ファンタジー・アドベンチャー。
「海の世界」と「人間の世界」、互いに恐れ合っている2つの世界が舞台。海の世界に暮らす“シー・モンスター”の少年ルカは、絶対に行ってはいけないと禁じられている人間の世界への憧れを抑えきれず、親友のアルベルトと海の世界を後にする。身体が乾くと人間の姿になるという性質を持つ“シー・モンスター”の彼らは、この“秘密”を人間に知られる恐怖を抱きながらも、目の前に広がる新しい世界に魅了されていくのだ。やがて、ルカとアルベルトの無邪気な冒険は海と陸とに分断されてきた2つの世界に大事件を巻き起こすが、ルカの禁断の憧れが生んだ「ひと夏の奇跡」とは。
カサローザ監督は、ルカとアルベルトの冒険を描くにあたって、親友との懐かしい日々の実体験を物語のルーツとし、自身の思い出を作品に反映させていることを明かした。
これまでもピクサー作品では、亡くなった父にもう一度会いたいという兄弟が魔法を使って父を蘇らせるために大冒険する『2分の1の魔法』でも、『モンスターズ・ユニバーシティ』の監督も務めたダン・スキャンロンが実際に1歳のころに父を亡くし、父の記憶がないまま育っていく中で兄と見つけた父からのカセットテープをきっかけに、家族の絆を深めたことが物語のルーツとなっている。
大人気シリーズ“カーズ”の3作目となる『カーズ/クロスロード』でも、これまで輝いてきた自分に世代交代の時期がやってきた際の葛藤や成長、そして物事の考え方などを、監督のブライアン・フィーが自身の体験をルーツにして描いている。フィー監督は「私は20代のころ、自分のキャリアや幸せばかりを追求していたが、歳をとり家族ができることによって自分ではなく子供たちの成功する姿に目を向けるようになり、物事の優先順位が変わりました」と作品のルーツとなった部分を明かす。
また、『モンスターズ・インク』『カールじいさんの空飛ぶ家』などの話題作のほか、人間が生まれる前の世界で感動の冒険を繰り広げる『ソウルフル・ワールド』を手がけ、現在はピクサーでクリエイティブ面のトップとなるチーフ・クリエイティブ・オフィサーを務めるピート・ドクター監督も「ピクサー作品は、たとえ物語の主人公が人間ではない何かであったとしても、私たち自身の人生が反映されたものなんです」と語っている。
カサローザ監督は「彼は僕をプッシュしてくれて、僕が怖がるようなことに挑戦させてくれました。夢を追いかけろということを彼から教えてもらえなかったら、今僕はここにいないかもしれません。そういう深い友情を、僕はこの映画で語りたいと思いました。僕らを変えてくれる、そして自分自身を成長させてくれる友情。それが『あの夏のルカ』のハートです」と語った。
さらに、カサローザ監督は本作について「子供の頃に自分とは全く違う世界に住む少年と夏に出会ったんだ。その夏の思い出から、少年が大人へと成長する物語を作りたいと思ったんだ」と明かした。
■配信情報
『あの夏のルカ』
6月18日(金)より、ディズニープラスで配信開始
監督:エンリコ・カサローザ
製作:アンドレア・ウォーレン
日本版声優:阿部カノン(ルカ)、池田優斗(アルベルト)ほか
日本版エンドソング:「少年時代(あの夏のルカ ver.)」suis from ヨルシカ
配給:ウォルト・ディズニー・ジャパン
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