マシュー・マコノヒーがテキサス州知事になる可能性? 様々な意見が飛び交う

マシュー・マコノヒー、政界進出?

 先日、ハリウッドで今最も稼ぐ男のひとり、ロック様ことドウェイン・ジョンソンが大統領出馬に対しての意欲を表明した。映画界から政界へ向かった人物を思うと、真っ先に浮かぶのが元カリフォルニア州知事のアーノルド・シュワルツェネッガー。そして今、ジョンソン以外にもオスカー俳優のマシュー・マコノヒーがテキサス州知事に立候補する方向性で動いているとのことだ。

 マシュー・マコノヒーは3月19日に出演した『THE LATE NIGHT SHOW』にて、司会のジミー・ファロンから「テキサス州知事に立候補するという噂が上がっているが、実際のところどうなのか」と聞かれた際に、以下のように答えていた。

「立候補については、これまで自分でも考えてきたことです。考えられることすら光栄なことです。ただ、それ以上は、今はお答えできません」

 この答えを、ファロンは「うまい、完璧な答えですね」と返したが、確かにこの物言いは世界的に変換するとほぼ「YES」と言っているようなものだ。実際、同月のオースティンの日刊紙には彼が出馬を本格的に検討していることが述べられていた。すでにダラス・モーニング・ニュースとテキサス大学タイラー校が4月6日から13日までに行った世論調査では、登録有権者45%がマコノヒーに、33%が現知事のグレッグ・アボットに、22%がその他の人間と回答した。アボット知事は現在63歳で、2022年には第3期を目指しているところ。しかし、どうやらマコノヒーの方がまだ立候補が決定していない段階で人気なのである。

 これに対しマコノヒーが現在住むオースティンを拠点とした共和党の選挙戦略家であるブレンダン・スタインハウザーが「人々が彼の出馬の可能性について真剣に受け止めていないことに少し驚いている」と明かし、アメリカにおけるセレブの持つ影響力や彼が単なるC級セレブではない魅力的な人物であることなど、マコノヒーに対してポジティブな意見を政治誌ポリティコにコメントした。

 だが、もちろんこれをネガティヴに捉える意見もある。先述のダラス・モーニング・ニュースやポリティコからは、彼が出馬し政界に本格的に進出することが俳優としてのキャリアにダメージを与えることの可能性を指摘した。確かに、マコノヒーといえば『ダラス・バイヤーズ・クラブ』でアカデミー賞主演男優賞を受賞し、『インターステラー』や『ウルフ・オブ・ウォールストリート』、『SING/シング』などの大作に引っ張りだこの実力派俳優。

 大作にも出演する彼が映画ファンに愛される理由としては、やはり『サラマンダー』や『10日間で男を上手にフル方法』、『ダークタワー』に『ジェントルメン』と幅広い作品(A級からB級まで!)への出演や、『ダラス・バイヤーズ・クラブ』だけでなく『ゴールド/金塊の行方』や『ビーチ・バム まじめに不真面目』などの作品でもわかる肉体改造を得意とする、そのストイックさにあるだろう。なにより、キャリアのスタートが『バッド・チューニング』だったのもあり、未だにインディ作品に出演したり、自身もプロデューサーとして活動したりと映画に対する積極性が窺える。

 そんな彼が政界に行ってしまえば、もちろん時間は減り、今のようなペースで作品に出演していくのは難しくなるはず。また、ポリティカルイメージのために“過激な”内容の作品、またはキャラクターから遠ざかってしまったら、それこそ宝の持ち腐れである。ネット上でも「ファンとしては(知事を)やらない方がクール」、「テキサスは彼のような善人を知事にすべき!」「政治のやり方は知っているのか?」など様々な意見が飛んでいる。果たしてマコノヒーが出馬を本格的にはじめていくのか、映画ファンとしては今後の動向が見逃せない。

■アナイス(ANAIS)
映画ライター。幼少期はQueenを聞きながら化石掘りをして過ごした、恐竜とポップカルチャーをこよなく愛するナードなミックス。レビューやコラム、インタビュー記事を執筆する。『ビーチ・バム』は個人的に今年上半期NO.1!InstagramTwitter

■公開情報
『ジェントルメン』
全国公開中
出演:マシュー・マコノヒー、チャーリー・ハナム、ヘンリー・ゴールディング、ミシェル・ドッカリー、ジェレミー・ストロング、エディ・マーサン、コリン・ファレル、ヒュー・グラント
監督・脚本・製作:ガイ・リッチー
撮影監督:アラン・スチュワート
美術デザイン:ジェンマ・ジャクソン
衣装デザイン:マイケル・ウィルキンソン
編集:ジェームズ・ハーバート、ポール・マクリス
音楽:クリストファー・ベンステッド
配給:キノフィルムズ
提供:木下グループ
2020年/英・米合作/カラー/スコープサイズ/DCP/5.1ch/113分/字幕翻訳:松崎広幸/原題:The Gentlemen/PG12
(c)2020 Coach Films UK Ltd. All Rights Reserved.
公式サイト:https://www.gentlemen-movie.jp
公式Twitter:https://twitter.com/GentlemenJP
公式Facebook:https://www.facebook.com/GentlemenJP

関連記事

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「映画シーン分析」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる