『リコカツ』で描かれる“同居あるある”の数々 永山瑛太の徹底した役作りも実感

『リコカツ』で描かれる“同居あるある”

 離婚に向けた活動(離婚活動)がテーマとして描かれる『リコカツ』(TBS系)。同じく“スピード離婚”をテーマにした『成田離婚』(フジテレビ系)から24年、永山瑛太主演の『最高の離婚』(フジテレビ系)から8年経過した令和の今、“人生100年時代到来”も踏まえ、この「離婚するかもエンターテインメント」はどんな夫婦の事情や決断を見せてくれるのか。

 本作では“熟年離婚”含めそこかしこで様々な夫婦のリコカツが見られるようだ。まずは、メインの2人から。ファッション雑誌編集部の水口咲(北川景子)と自衛官の緒原紘一(永山瑛太)。33歳の咲は、5年間付き合った元彼に「結婚のイメージが湧かなくて」と宣告された挙句、雪山で遭難したところを、紘一に救われ“運命の出会い”を果たす。

 あの救出シーンは『愛の不時着』でのユン・セリ(ソン・イェジン)とリ・ジョンヒョク(ヒョンビン)の出会いを彷彿させるものがあった。華やかな業界に身を置く彼女と堅物な彼という構図も少し似ている。

 2人は出会って3カ月、結婚するまでに5、6回会っただけの“交際0日婚”カップル。不器用だけど真っ直ぐで純粋、そして何より救出劇から改めて再会を果たしたその日に「結婚して下さい」と、5年一緒に過ごした元カレが一切くれやしなかった言葉を叫んでくれる。貴重なアラサーの5年間を費やした相手にリリースされ「これからまた新しい人と出会って恋をして結婚するなんて何年かかるんだろう……」と途方に暮れていた彼女からすれば、“この流れに乗っかってしまおう”と思うのは当然のことのように思われる。ただ、咲ほどに仕事にも恵まれ自立している女性でも、「一緒に歩んでいこう」ではなく、「この人に賭けてみよう」と決めたというのは少し意外にも思える。それほどに元カレの件の発言によるショックが大きかったのだろうとも言えるだろう。

 紘一の4時起き、緒原家の家訓の唱和ほど極端でなくとも、“他人だった2人”が一緒に暮らすにはもちろん色んな障壁が立ちはだかる。“額縁に入った家訓”は、当人同士の問題だけに留まらない“家のこと”や、当人のいち個性というよりも脈々と受け継がれてきた家庭の教えのようなものを象徴しているかに見えた。

関連記事

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「国内ドラマシーン分析」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる