玉木宏×武藤将吾のタッグは相性抜群 『桜の塔』第1話から驚きのラスト3分間に

『桜の塔』第1話から驚きのラスト3分間

 玉木宏が主演を務めるドラマ『桜の塔』(テレビ朝日系)が、4月15日よりスタートした。

 ドラマの制作発表記者会見で、玉木は「単純な警察ドラマではなく、いろいろな裏切りがあるドラマ。心してご覧ください!」とアピールしていたが、まさか我々視聴者をも裏切ってくるとは思いもしなかった。第1話にて発生する一般市民を人質に取った銀行立てこもり強盗事件は、上條漣(玉木宏)の謀略によって起きたという、驚愕のラスト3分が待ち受けていたのだ。

 本作の脚本を担当するのは、『3年A組 ―今から皆さんは、人質です―』(日本テレビ系)や『ニッポンノワール ー刑事Yの反乱ー』(日本テレビ系)を手がけてきた武藤将吾。全ての作品に登場する「刑事」の存在や、「正義とは何か?」という大きなテーマは、この『桜の塔』にも共通している。これまでは第1話から伏線をばら撒くスタイル(特に『ニッポンノワール』はSNSでの考察合戦が激化)だったのに対し、本作は先述の通りに第1話で一気にそれらを回収していくところは異なるポイントとも言えそうだ(もちろん大きな謎は残した上で)。

 その物語の中心にいるのが漣。野心家で、やがては警察トップである警視総監になることを目指す、警視庁捜査共助課の理事官だ。元警察官の刈谷銀次郎(橋本じゅん)と銀座の高級クラブのママ・小宮志歩(高岡早紀)の力を借りて、警視正の佐久間義孝(少路勇介)をその座から引きずり降ろし、証拠を捏造してまで犯人の蒲生(森崎ウィン)を逮捕に追い込んでいく。

 そして、最も恐ろしいのは蒲生に強盗事件を決行するように、裏で手招きをしていたのが漣であること。漣は志歩から強盗事件で犠牲になった人質への罪の意識を感じているのかを聞かれ、「もう決めたんだ。悪魔に魂を売らなければ、本当の間違いは正せない……。必ず警察の頂点まで上り詰めてやる……」と誓う。ドラマのラストショットは警視庁の廊下を歩く漣の姿で締めくくられるが、彼の本性が明らかになることでその表情がまるで仮面を被った悪魔のように見えてくるのは脚本と玉木宏の演技の凄みである。

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