浅香航大が俳優を続ける理由　選択する上で大切にしているのは“悩むこと”

『きみセカ』桑田のような、“どセンターの男”を突き詰めたい

 ――『THE LIMIT』は、どの作品も意外な結末を迎えますが、浅香さんご自身がふだん「意外」と言われるようなことはありますか？

浅香：僕、初対面の方に「神経質で怖い人だと思ってた」とすごく言われるんですよ。でも、喋ると全然そんなことなくて、「意外と抜けてるんだね」って（笑）。

――なるほど（笑）。お仕事面では、これから“意外な役”をやりたいといった思いは？

浅香：最近は『きみセカ』のような、まっすぐで正義感がある“どセンターの男”を演じる機会が少なかったので、そういう役を突き詰めたいなとは思っています。トリッキーでエッジの効いた役もいろいろやらせてもらったし、今後もやっていきたいとは思っていますけど、このタイミングで一周回って“どセンターな役”を突き詰めたら、おもしろいかなと。

――そういう役のほうが、逆にやりにくさがある？

浅香：やりにくいというより、何かしたくなっちゃうんですよね（笑）。思ったことを真っ直ぐに喋るだけの役って、意外と勇気がいるんですよ。このセリフの裏には何かがあって、だからこうなって、こうなって……と、複雑に構成したくなっちゃうところを堪えて、真ん中でいくっていう。度胸のいることなので、そこは自信を持ってやっていきたいなと思っています。

浅香航大が俳優を続けている理由

――本作では究極の選択が描かれますが、浅香さんが経験した究極の選択は？

浅香：やっぱり高校生の時に、俳優を始めたことですね。最初は「芸能界にとりあえず入ってみる」くらいの感覚だったので、そんなに“俳優”を意識していたわけじゃなかったんです。でも、気づいたらずっと続けていて、今となってはすごく大事な仕事になりました。

――続ける中で、理想と現実にズレが出てくることもあると思います。それでも役者をやっていきたいと、ご自身を突き動かしているものは何なのでしょうか？

浅香：ある種、中毒的なことだと思うんですよね。本当にふわっと始めて、今ではもちろん自覚も責任感も持ってやっていますけど、やっぱり中毒性があるんじゃないかな。いろんな人にお芝居を観てもらって、うまくいく時もあれば、うまくいかない時もある。今回の現場みたいな緊張感とかも味わってしまうと、そういう刺激がないと生きていけないです。

――ちょっと麻痺しちゃってますね（笑）。

浅香：そうなんですよ。あと、昨日考えていたことなんですが、僕がもし、宮崎駿さんに会ったとしたら「好きです」って言うんですけど、駿さんから「ありがとう」の後に「どこが好きなの？」と聞かれたら、なんて言おうかなって。僕、自分の言葉を形にするのがすごく下手くそで、取材とかでも、未だに自分の言葉を出すのが得意じゃない。でも、それでいいのかなと思ったんです。なぜかはわからないけど、感覚的に好きだから俳優をやっていて、駿さんには「それと一緒です」と言えばいいんだと思いました。「言葉にはできないけど、好きなんです」って。

――本当においしいものを食べたら、「おいしい」しか言えないみたいな。

浅香：それでいいんじゃないかと思うんです。そういう方法で自分を表に出していくことが、自分に合っているということですね。自分の言葉じゃないところで、自分を表現していく。だから俳優を続けているんだと思います。

――番宣などでバラエティ番組に出るのも得意じゃない？

浅香：がんばりたいんですけど、お芝居の現場に行くより緊張しますね。台本がほしいです、全部。そしたら一生懸命覚えるのに（笑）。

――15分いけますからね（笑）。浅香さんが、何かを選択する上で大切にしていることも教えてください。

浅香：僕はすごく考え込んじゃうタイプなので、もっと野性的な感覚で選択したいとずっと思っています。結局できなくて、悩んで悩んで悩みまくって選ぶことばっかりなんですけどね。物を買うのも時間がかかるし、Twitterに1つ投稿するのも15分以上かかるかな。下書きして、時間が経ってから読み返して、ダメだと思って消しちゃうこともあります（笑）。直感で決められたら、もっと時間ができるし、そうなりたいなと思います。

――今はまだ憧れの段階なんですね。

浅香：そうなんです（笑）。だから今、選択する上で大切にしているのは、やっぱり悩むことなのかもしれないですね。「悩んだってしょうがないじゃん」って、いろんな人に言われ続けてきたんですけど、最近は「悩んでもいっか」と思う自分もいたりして。

――これからもいろんな選択があるとは思いますが、役者としてこれだけは大事にしたいと思うことは？

浅香：余裕を大事にして、優しい人でいたい。きっといろんなことが起こると思うけど、変わらないでいたいです。

――自分が変わっていくことが怖い？

浅香：怖いですね。怖いから、地元の友達とか、居酒屋で知り合ったサラリーマンとか、自分が変わらないでいられる人と一緒にいることが多いのかもしれないです。

――自分をリセットできる場所ということですね。役者さんと熱く語ったりすることも多いのかと思っていました。

浅香：時には熱く語ることも大事だし、先輩や同世代の俳優たちとそういう話をすることもあります。でも、僕の中では“しなきゃいけない”と意識して話している感じがありますね。「これも勉強だ」みたいな。実際にそれで得るものも大きいですけど、自分が本当に楽しんで話しているのかは、今の僕には正直、まだわからないんです（笑）。

■配信情報
Hulu オリジナル『THE LIMIT』
Huluにて毎週金曜、新エピソード独占配信中
※通常配信に加え、4K UHD／HDR／5.1chサラウンドでも配信
出演：
第1話「ネコと井戸」：伊藤沙莉、堺小春、坂東龍汰
第2話「タクシーの女」：門脇⻨、古川琴音
第3話「ユニットバスの2人」：細田善彦、岩崎う大（かもめんたる）
第4話「ベランダ男」：岡山天音
第5話「切れない電話」：泉澤祐希、岩松了、夏子
第6話「高速夜行バス」：浅香航大、木野花
脚本：玉田真也、岩崎う大、荻上直子
エグゼクティブプロデューサー：長澤一史
チーフプロデューサー：茶ノ前香
プロデューサー：中村好佑 小室秀一
企画：三浦光博 塚田雅人 賀内健太郎
監督：賀内健太郎 吉田真也 中嶋駿介
制作プロダクション：博報堂プロダクツ
製作著作：HJホールディングス
公式サイト：https://www.hulu.jp/static/thelimit/

▼浅香航大 チェキプレゼント▼

浅香航大のチェキを2名様にプレゼント。応募要項は以下のとおり。

【応募方法】
リアルサウンド映画部の公式Twitterフォロー＆該当ツイートをRTいただいた方の中から抽選でプレゼントいたします。当選者の方には、リアルサウンド映画部の公式TwitterアカウントよりDMをお送りさせていただきます。

※当選後、住所の送付が可能な方のみご応募ください。個人情報につきましては、プレゼントの発送以外には使用いたしません。
※複数のお申し込みが発覚した場合､ご応募は無効とさせていただく場合がございます｡
※営利目的の転売は固くお断りいたします。発見した場合は然るべき対応をとらせていただきます。

＜リアルサウンド映画部 公式Twitter＞
https://twitter.com/realsound_m

＜応募締切＞
4月23日（金）