松岡茉優×宮沢氷魚が語り合う、切磋琢磨する仲間の存在 『コウノドリ』以来の共演秘話も
大泉洋主演映画『騙し絵の牙』が3月26日より公開中だ。塩田武士が大泉を主人公に当て書きした同名小説を、『桐島、部活やめるってよ』『紙の月』の吉田大八監督が映画化した本作。かねてからの出版不況に加えて創業一族の社長が急逝、次期社長を巡って権力争いが勃発した大手出版社「薫風社」を舞台に、お荷物雑誌「トリニティ」の変わり者編集長・速水が、生き残りをかけた“大逆転”に挑む。
速水の策略に巻きこまれていく新人編集者・高野を演じたのは松岡茉優。そして、速水に口説かれ「トリニティ」で連載を持つ事になる、ミステリアスでカリスマ性のある新人小説家・矢代聖を宮沢氷魚が演じた。『コウノドリ』(2017年/TBS系)以来の再共演となった松岡と宮沢の2人に、撮影時のエピソードやお互いの変化、切磋琢磨する仲間の存在について語り合ってもらった。【インタビューの最後には、サイン入りチェキプレゼント企画あり】
松岡「氷魚ちゃんは『コウノドリ』のときからすごく頼もしかった」
ーーお会いするのは久しぶりですか?
松岡茉優(以下、松岡):そうですね。撮影ぶり?
宮沢氷魚(以下、宮沢):撮影ぶりですね。
ーー撮影は2019年の10月~12月にかけて行われたということなので、1年以上前ですね。
宮沢:遠い昔のようですが、撮影の記憶は鮮明に残ってますね。
松岡:うん! 昨日のことのよう。毎日楽しかったよね?
宮沢:楽しかった。キャストが豪華な方ばかりだったので、最初はすごく緊張していたんですけど(笑)。
松岡:え!? 見えなかったけどな(笑)。
宮沢:そう? もう変な汗かいてヤバかったです(笑)。でも(松岡)茉優さんも(池田)エライザさんもいたし、大泉さんがとにかく明るい現場にしてくださったので、先輩方に任せて、僕は楽しむだけでした。
ーー松岡さんと宮沢さんといえば『コウノドリ』(2017年/TBS系)ですよね。共演もそれ以来ということで。
宮沢:『コウノドリ』は僕のデビュー作でしたから。
松岡:え、そうだったの!? “ドラマデビュー作”だと思っていました!
宮沢:俳優としてのデビュー作だったんです。
松岡:すごい作品でご一緒したんだ。
ーー『コウノドリ』から2年後の再共演となりましたが、当時と比べてお互い変わったところはありましたか?
松岡:氷魚ちゃんは髪が伸びてたよね。
宮沢:そうだね(笑)。髪が伸びてて不思議なカットだったんですけど。茉優ちゃんは変わらないです。『コウノドリ』の頃も素敵だったし、いまも素敵だし。
松岡:へへっ!
宮沢:茉優ちゃんとは同い年なんですけど、役者仲間で同い年ってなかなかいなくて。
松岡:男の子はあまりいないよね。山崎(賢人)くんくらい?
宮沢:そう、賢人くらい。でも茉優ちゃんは役者としては大先輩ですから。今回、頼れる先輩だけど同い年っていう存在が近くにいてくれたのは、すごくやりやすかったし、茉優ちゃんがいてくれてよかったなと。すごく安心感がありましたね。
松岡:照れます(笑)。氷魚ちゃんは『コウノドリ』のときからすごく頼もしかったんです。何にも動じないというか、監督から何か演出を受けても、自然に受け入れている感じがしたから、まさかあれがデビュー作だったとは……。でも、当時からさらにパワーアップして、男らしくなったかも。中性的な素敵な男性と思っていたけど、今回はミステリアスなキャラクターということもあり、すごく色気がある人になっていました。
宮沢:うれしい!
ーー今回は作品的にもそうですが、役柄的にもネタバレになってしまうことがたくさんあって、なかなか作品の話がしにくいですよね。
松岡:本当にそうなんです! どうやって取材受けているの?
宮沢:昨日、エライザさんとも「なに話す?」って相談したんだけど、何も言えなくて大変なの(笑)。
松岡:大変だね(笑)。
ーーそんな中で作品の見どころのひとつになるのが、先ほど宮沢さんも言及されていた豪華キャスト陣の共演です。
松岡:でも皆さん本当にフラットで優しかったです。私たちが若いからとか関係なく接してくださりましたし、ご家庭のある方が多かったので、ご家族の話を聞いたりとか。私たちは緊張していましたけど、次第にその緊張も解けていきましたね。
宮沢:そうですね。木村(佳乃)さんは毎日おもしろい話をしてくれて。「氷魚くんはどこから来たの?」って聞かれたので、「カルフォルニアです」って言ったら、「そういうことじゃなくて、地球から?」みたいな(笑)。そうやって皆さんフランクに話しかけてくれたので、僕たちもやりやすかったです。
松岡:私たちが勝手に緊張していただけで、緊張させるような方はいなかったんです。
ーーそれぞれの役柄を演じる上で、どういうことを意識しましたか?
松岡:私が演じた高野恵は、「本を守りたい」「小説を守りたい」「出版を守りたい」という思いが強い女性なのですが、その熱意が圧力や押しつけにならないように気をつけました。本当に彼女はピュアな思いで純粋に出版を守りたいと思っているんだということが届かないと、ただ暑苦しい人、ウザい人になってしまいがちなキャラクターだと思ったので、彼女自身の欲ではなく、本が守りたいんだということが伝わるように、いろんな削ぎ落としをして挑みました。
宮沢:僕は矢代聖という青年のミステリアスさをどう出していくかがカギでした。結構いろんなパターンを考えていたんですけど、そのパターンを考えている時間がすごく楽しかったですね。矢代はあまり多くを語らないので。
松岡:そう、セリフ少ないよね。あんなに存在感あるのに。
宮沢:だから、佇まいや目線、醸し出している雰囲気で、そのミステリアスさを表現しないといけなくて。これまでも結構ミステリアスな役が多かったので、過去に自分が演じてきたミステリアスな人物のいいところをいろいろ取り入れながら、矢代という人物を作っていきました。