“アノニマス”の正体がついに明らかに! 万丞と倉木の掛け違えたボタン

明らかになった“アノニマス”の正体

そして、明らかになった現アノニマスの正体

 だが越谷は、現在アノニマスを名乗ってネットに投稿などしていないという。時を同じくして、凛々子(MEGUMI)のタブレットにセキュリティの穴があったことが判明。そこからアクセスをすれば、警察内部にいなくても機密情報を抜き出すことができる。偽装されたIPアドレスでは追うことが不可能だったアノニマスの足取りを掴むきっかけを見つけた指対メンバー。だが、そのアクセス履歴からは、信じられない名前が……。

 そこに示された人物は、心神喪失状態にあると思われていた倉木だった。振り返ってみれば、倉木も2年前の事件で「また暴走をした刑事」としてのレッテルを貼られ、誰にもその叫び声が届かなかった1人だった。正しいことをする、その最前線であるべき警察にいながら、その正義が大きな力でねじ伏せられる。その絶望が、彼女をアノニマスにした。

匿名のアノニマスが活躍する社会とは……

 アノニマスが執拗に「正義とは何か」を万丞に問いかけていたのも、倉木が正体だったとすれば納得がいく。他の誰でもなく万丞にこそ、自分の正義を認めてもらいたかった。だが、万丞はアノニマスのやり方は違うと反発する。「正しい社会であってほしい」誰もがそう願う思いは同じはずなのに、どうしてこうも私たちの正義が1人ひとり異なってしまうのだろうか。

 私たちは「正義は1つ」だと想いこんでいた節がないだろうか。もしかしたら正義とは、本当は個性と同じくらい多種多様に存在しているのかもしれない。だからこそ、誰かが掲げたたった1つの正義感に振り回されることに慎重になる必要がある。

 本来であれば、万丞と倉木が直接「正義とは」を語り合えていたらよかったのだ。ネット上で正義の鉄槌が下されるのは見ていて痛快だ。一見すると、正義が勝つ世の中になったように感じるが、その気持ちよさに酔いしれる社会とは、表立って主張ができない根深い闇があることの裏返しだ。その本質的な問題に目を向けない限りは、アノニマスは生まれ続ける。アノニマスは決してダークヒーローなどではなく、正しい声が届かない哀しきモンスターであることを忘れてはいけない。

■放送情報
『アノニマス ~警視庁“指殺人”対策室~』
テレビ東京系にて、毎週月曜22:00〜放送
動画配信サービス「Paravi」「ひかりTV」にて配信
出演:香取慎吾、関水渚、MEGUMI、清水尋也、山本耕史 シム・ウンギョン(特別出演)、勝村政信ほか
監督:及川拓郎、湯浅弘章、大内隆弘
脚本:小峯裕之、玉田真也、入江信吾
音楽:山下宏明、丸橋光太郎
主題歌:香取慎吾「Anonymous (feat.WONK)」(WARNER MUSIC JAPAN)
オープニングテーマ:アイナ・ジ・エンド「誰誰誰」(avex trax)
チーフプロデューサー:阿部真士(テレビ東京)
プロデューサー:濱谷晃一(テレビ東京)、北川俊樹(テレビ東京)、合田知弘(テレビ東京)、稲垣護、佐藤満、高橋潤
制作:テレビ東京/ギークピクチュアズ
制作協力:ギークサイト
製作著作:「アノニマス」製作委員会
(c)「アノニマス」製作委員会
公式サイト:https://www.tv-tokyo.co.jp/anonymous/
公式Twitter:@txdrm_anonymous
公式Instagram:txdrm_anonymous
公式アメーバブログ:https://ameblo.jp/anonymousblog/

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