深澤辰哉、“一皮むけた”『わたしの宝物』冬月役を語る　「Snow Manのためにも頑張りたい」

　松本若菜が主演を務める木曜劇場『わたしの宝物』がフジテレビ系で放送中だ。

　昼顔妻を描いた『昼顔～平日午後3時の恋人たち～』（フジテレビ系）、セックスレスをテーマにした『あなたがしてくれなくても』（フジテレビ系）の三竿玲子プロデューサーが手がける本作。主人公の神崎美羽（松本若菜）は、幼なじみの冬月稜（深澤辰哉）との子を夫・宏樹（田中圭）の子だと偽り、育てる決意をする。彼女の決断はやがて3人の人生を狂わせていく。

　冬月役を演じているのは、Snow Manの深澤辰哉。自身のキャラクターとかけ離れた男性を演じる彼の思いとはーー？

「俺、こんな顔してんだ」という不思議な感覚

ーー『わたしの宝物』の脚本の魅力はどんなところにあると思いますか？

深澤辰哉（以下、深澤）：センシティブなこの時代にしては、ヒリヒリするような挑戦的な内容で、それを台本に落とし込んで描いていることがすごく魅力的だと思います。少し前の自分だったら、この作品に出演できていたたかはわからないです。それほど自分にとっても大きな挑戦だったし、クランクアップを迎えたときに、きっと一回りも二回りも成長している自信があったので「ぜひ出させてください！」とお伝えしました。この作品に携われてすごく嬉しいです。

ーーラブシーンもある大人向けのストーリーですが、ここまで冬月稜を演じてきて感じたことがあれば教えてください。

深澤：今まで、大人の恋愛ドラマに、自分が参加する未来を想像したことがなくて……（笑）。正直、今持っているスキルでは成立しない難しい役かもしれないと感じていました。プレッシャーもありましたが、共演者の皆さん、スタッフの皆さんの支えのおかげで、「いい作品ができているな」と思っています。ただ、ラブシーンをやったことがなかったので、このドラマをちゃんと観られるか不安ですね（※インタビューは第1話放送前）。

ーー画面越しで自分を観ることに対しての照れ臭さがあるんですか？

深澤：はい……。自分が演じているときは、そういう気持ちはなかったし、芝居に集中していたんですけど、いざ出来上がったものを観ると、「俺、こんな顔してんだ」という不思議な感覚もあって照れます（笑）。

ーー「難しい役」とのことですが、具体的にどこに難しさを感じていますか？

深澤：今回の台詞は「好き」とかストレートな言葉が多いんです。これまでは、Snow Manのライブで「胸キュン台詞」を言うシーンがあっても、全部逃げて笑いに持っていっていたし、思っている気持ちを女性にぶつけた経験もないから、ストレートな言葉は緊張します。「胸キュン台詞」に向き合っておけばよかったな、と後悔していますね（笑）。恋心を持った人物を演じるにあたっては、表情だったり、目のお芝居だったりで見え方が変わるということを監督さんに教えてもらいました。ちょっと目線をずらすと嘘っぽくなる……とか、改めて、台詞だけじゃなく、表情、目の芝居が大事になってくる作品だなと感じています。

ーー冬月の一番の魅力はどこにあると思いますか？

深澤：大人だけど子供心を忘れていないところが彼の最大の魅力だと思うので、それを自分がどれだけ表現できるかを考えながらお芝居しています。あと、自分で言うのはおかしいかもしれませんが、真面目でピュアで子供心を忘れていないというのは、自分に似ているなと感じましたね（笑）。でも、一歩間違えると、似ている＝深澤なんですよ。監督さんにも「今のはふっかが出たよ」と言われて、「なるほど、これは俺なんだ」とか、その駆け引きがすごく難しいですね。

ーー当初は、モラハラ夫の宏樹（田中圭）でしたが、父親になったことで変化も見えてきました。きっと視聴者の方も宏樹派と冬月派とで揺れる方もいらっしゃると思いますが、深澤さんはどういう部分で視聴者を味方につける演技をしていこうと考えていますか？

深澤：幼なじみの冬月ならではの良さは今後もいろいろな形で描かれていくので、彼のまっすぐさを引き続き応援してほしいなと思います。おそらく、冬月がブレることはないと思うし、そんな彼の良いところを自分が引き出せたらいいなと。ただ、最初は宏樹と真逆の立ち位置だったけど、宏樹がいいパパになってきたじゃないですか（笑）。宏樹も冬月も“いい人”のポジションになるので、そこの差、個性を出していきたいなと思っています。それこそ、美羽（松本若菜）に対する台詞の言い方だったり、同僚の水木莉紗（さとうほなみ）に対しての話しかけ方だったりの表現を工夫していけたらいいなとは思いますね。