竹内涼真と中条あやみが衝撃の再会 『君と世界が終わる日に』は“イラキュン”サバイバル?

『きみセカ』第8話の衝撃のラストを振り返る

 SNS上では、本作に対して「イライラする」という感想が見られる。愛奈を解き放って殺される原因を作った勝利(田中奏生)や、琴子(臼田あさ美)を檻から出すことでミンジュンを死なせてしまった響など、自らの行動で災難を招いておきながら、他人に怒りをぶつける登場人物にいらだちを覚えるというものだ。

 たしかに本作では、短絡的で後先を考えない行動が多い。「なぜ衝動的な行為に走ってしまうのか?」という疑問に対しては、生死がかかった極限状況では、人間は何をするかわからないというのが答えになる。肉親が命を奪われたり、無残に変わり果てた姿を目にすれば、様々な感情があふれ出して、予想外の行動に出ることは十分にありえる。矛盾をはらむのが人間という生き物で、反対にゴーレムはシンプルな行動原理に支配されている。また、脈絡のない行動は予想外の展開を引き起こす。実際、イライラすると投稿した人の中には、そう言いながらも最後まで観てしまったという感想が複数あった。

 一方で、響と来美の回想シーンに代表される胸キュンな要素も本作の特徴。漫画の世界から抜け出したようなカップルが、互いを思いながら悲劇的な結末をたどる様子に私たちは胸を痛める。切ない恋愛模様と良い意味で観る側をいらだたせるストーリー展開を併せ持った『君と世界が終わる日に』を、「イラキュン」系サバイバルと位置付けることも可能だ。

 紹子(安藤玉恵)が佳奈恵(飯豊まりえ)に言った「でも今は明日生きていられるかどうかわからない世界じゃない? だから後悔しないで。明日、死んでもいいように」という言葉は本作の世界観を象徴するものだ。ストーリー上も、ゴーレムウイルスによっておそらく日本全体が壊滅し、生き残った人々は安全な場所を求めて猿ノ島に集結する。残された人々が狭い島内で生死を賭けて争う構図はサバイバルの定番であり、過去のゾンビものを踏まえながら、演者の表現力によってリアルな人間ドラマに昇華している。

■石河コウヘイ
エンタメライター、「じっちゃんの名にかけて」。東京辺境で音楽やドラマについての文章を書いています。ブログTwitter

■放送情報
『君と世界が終わる日に』
Season1(全10話):日本テレビ系にて毎週日曜22:30〜放送
Season2(全6話):Huluにて、3月配信開始
出演:竹内涼真、中条あやみ、笠松将、飯豊まりえ、大谷亮平、笹野高史、マキタスポーツ、安藤玉恵、横溝菜帆、滝藤賢一
脚本:池田奈津子
音楽:Slavomir Kowalewski A-bee
主題歌:菅田将暉「星を仰ぐ」(Sony Music Labels Inc.)
制作:福士睦、長澤一史
チーフプロデューサー:加藤正俊、茶ノ前香
プロデューサー:鈴木亜希乃、鬼頭直孝、伊藤裕史
協力プロデューサー:白石香織
演出:菅原伸太郎、中茎強、久保田充
制作協力:日テレアックスオン
製作著作:日本テレビ、HJ Holdings,Inc.
(c)日本テレビ
公式サイト:https://www.ntv.co.jp/kimiseka/
公式Twitter:@kimiseka_ntv
公式Instagram:@kimiseka_ntv

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