桐山照史、大西流星ら深夜ドラマでの主演が増加? ジャニーズ俳優と深夜枠の相性を考察

 「ヒーハー」という心の声が聞こえてきそうだ。ドラマホリック!『ゲキカラドウ』(テレビ東京)で激辛料理に挑戦するのは桐山照史(ジャニーズWEST)。テレ東のお家芸である深夜枠のグルメ作品で、連続ドラマ単独初主演を飾った。

 桐山が演じるのは飲料メーカーの営業職・猿川健太。東京支社の営業促進室に異動した猿川だったが、そこは激辛好きの猛者が集う職場だった。お仕事ドラマにアクセントを加えているのは激辛メニューの数々。実在する店舗を舞台に、猿川は激辛麻婆豆腐やハバネロの肉詰めなど、選りすぐりの品々に挑んでいく。

 なんといっても桐山の演技。撮影でも実食しているそうで、食べる前の緊張と恐怖にゆがんだ顔が、食べ終えて憑き物が落ちたような爽快な表情に変わる。初主演作で、人間だけでなく激辛に対しても満点のリアクションで返した。2008年に『ごくせん』(日本テレビ系)でドラマデビューし、演技派集団・ジャニーズWESTの中で磨いた表現力をいかんなく発揮した。

 桐山のほかにも、ここ数年、深夜枠で主演デビューするジャニーズ事務所所属俳優が増えている。『レンタルなんもしない人』(テレビ東京)の増田貴久(NEWS)、『ミリオンジョー』(テレビ東京)の北山宏光(Kis-My-Ft2)をはじめ、ジャニーズWESTのメンバーで『エレファント・マン』で読売演劇大賞の杉村春子賞を受賞した小瀧望の連ドラ初主演も深夜枠(よるドラ『決してマネしないでください。』(NHK総合))だった。最近では、なにわ男子/関西ジャニーズJr.の大西流星が『夢中さ、きみに。』(MBSほか)で初の単独主演を果たしている。

 この傾向はグループ単位でもあてはまり、『真夏の少年~19452020』(テレビ朝日系)で美 少年がグループで初主演。また、オムニバス形式の『年下彼氏』(ABCテレビ/テレビ朝日)ではなにわ男子、Aぇ! Group、Lil かんさいを含む関西ジャニーズJr.が、また『メンズ校』(テレビ東京)はなにわ男子が主演としてクレジットされ、メンバーの多くがドラマ初主演を飾った。

 ジャニーズ所属俳優の深夜枠出演は、制作会社とテレビ局、事務所のいずれにとってもメリットが大きい。ジャニーズに限らず、D-BOYSやEBiDAN、坂道グループも同じように若手俳優を深夜枠に送り出している。国民的人気と実力を兼ね備えたジャニーズでは、日本テレビ「シンドラ」やテレビ東京「ドラマホリック!」など、テレビ局との共同製作で枠そのものを押さえることにより、長期的な視野から番組を制作しているのが特徴だ。

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