桐山照史、大西流星ら深夜ドラマでの主演が増加? ジャニーズ俳優と深夜枠の相性を考察

 こうしたジャニーズ所属俳優の進出は、ドラマ界全体にポジティブな影響を与えるものだ。そもそも深夜帯では、ゴールデンやプライム帯で扱いにくい内容や意欲的な作品が放送されてきた。深夜枠ドラマは、クリエイター育成の場として機能しており、新進気鋭の監督や脚本家、劇団出身の役者に創作の場を提供してきた。一方、高視聴率を望みにくい時間帯でもあり、コロナ禍による制作環境の悪化の影響も受けてきた。

 ジャニーズ所属俳優が深夜枠ドラマに出演することは、視聴者とスポンサーに支えられる業界構造にあって、番組枠そのものの価値を高めることを意味している。安定した人気を背景に自由度の高い作品を提案することは、ドラマの可能性を広げ作家の世代交代を促す。言うまでもなく、俳優にとっては出演経験を積む機会であり、激辛グルメや何もしない主人公など意欲作への登板は、役者としてのスキルアップにつながる。

 以上のことは、前述の「シンドラ」や「ドラマホリック!」のラインナップを見ればわかるはずだ。プライム帯ドラマが手堅さを志向する中で、ジャニーズ所属俳優と深夜枠ドラマのコラボレーションが地上波ドラマ刷新の起爆剤となることを期待したい。

■石河コウヘイ
エンタメライター、「じっちゃんの名にかけて」。東京辺境で音楽やドラマについての文章を書いています。

■放送情報
ドラマホリック!『ゲキカラドウ』
テレビ東京ほかにて、毎週水曜深夜0:12~0:52放送
動画配信サービス「Paravi」「ひかりTV」にて配信
出演:桐山照史(ジャニーズWEST)、泉里香、中村嶺亜(7 MEN 侍/ジャニーズJr.)、森⽥甘路、前川泰之、平⽥満
ゲスト:相島一之(第1話)、長谷川朝晴 (第2話)、麿赤兒 (第3話)、佐津川愛美(第4話)、丸山智己(第4話)、板尾創路(第5話)、武田玲奈(第7話)、山田純大(第9話)、松下由樹(第10話)
監督:柴⽥啓佑、ヤングポール、西川達郎
脚本:吉本昌弘、神⽥優、政池洋佑、本⽥隆朗
主題歌:ジャニーズWEST「週刊うまくいく曜日」(ジャニーズ エンタテイメント)
チーフプロデューサー:山鹿達也(テレビ東京)
プロデューサー:松本拓(テレビ東京)、尾花典⼦(ジェイ・ストーム)、渋⾕未来(The icon)、古林都⼦(The icon)
制作:テレビ東京/ジェイ・ストーム/The icon
製作著作:「ゲキカラドウ」製作委員会
(c)「ゲキカラドウ」製作委員会
公式サイト:https://www.tv-tokyo.co.jp/gekikaradou/
公式Twitter:@tx_gekikaradou

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