『半妖の夜叉姫』もろはが賞金稼ぎになった理由とは 犬夜叉とかごめから受け継がれたもの

『半妖の夜叉姫』もろははなぜ賞金稼ぎに?

 かくして、もろはは師匠である凱風に裏切られたと思いながらこれまで生きてきた。しかし、実はかつてもろはが紅を使って大暴れした際、窮地に追い込まれた凱風はイタチ男に唆され、いずれ装着者を粉々にする“鉄鼠の鎧”を身につけてしまったのだ。

 刀鍛冶で鎧を脱ぐための鍵を作ってもらうべく、凱風はもろはを屍屋に売ったのだが、凱風が刀鍛冶の隠れ里を訪れた際にはすでに四凶の1人、混沌(安元洋貴)が里の人々を皆殺しにした後。混沌は赤の虹色真珠を奪ったもろはの首と引き換えに、鉄鼠の鎧の鍵を渡すという。そのため、凱風はもろはの目の前に現れ、師弟対決を挑んだ。だが、最初から凱風はもろはを殺めるつもりはなく、目的はもろはから“紅の爆流破”という技を引き出すため。爆流破は彼女の父である犬夜叉も使っていた技だ。

 もろはは己の弱さを克服し、妖怪の血に頼ることなく師弟対決に打ち勝つことができた。その代わり、もろはは妖怪でも、人間でもない中途半端な存在だと思っていた自分の唯一の理解者である師匠を失ってしまう。しかし、もろははもう1人ではない。共に悲しみや喜びを分けあえる、とわとせつなが側にいるのだ。

「己の心を強く持て、もろは」

 そんな凱風の言葉を胸に、もろはは2人と再び歩み出した。

■苫とり子
フリーライター/1995年、岡山県出身。中学・高校と芸能事務所で演劇・歌のレッスンを受けていた。現在はエンタメ全般のコラムやイベントのレポートやインタビュー記事を執筆している。Twitter

■放送情報
『半妖の夜叉姫』
読売テレビ・日本テレビ系にて、毎週土曜17:30~放送
※一部地域を除く
監督:佐藤照雄
シリーズ構成:隅沢克之
メインキャラクターデザイン:高橋留美子 
アニメーションキャラクターデザイン:菱沼義仁
音楽:和田薫
アニメーション制作:サンライズ
製作:サンライズ、小学館、読売テレビ
(c)高橋留美子/小学館・読売テレビ・サンライズ 2020
公式サイト:hanyo-yashahime.com
公式Twitter:@hanyo_yashahime

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