上白石萌音、人気の理由は“身近さ”にあり!? 『恋つづ』に続き『ボス恋』でさらなるヒロイン街道へ

上白石萌音、人気の理由は“身近さ”にあり

 ただそれができるのも、確かな演技力があってこそ。ミュージカルで鍛えたであろう、全身から伝わる豊かな感情表現を、自然な仕草と会話でできるところが、10年のキャリアがなせる才能だ。昨年放送の『情熱大陸』(TBS系)で見せていたのは、ミュージカル稽古の初日ですでに歌詞が完璧に入っている姿。またドラマで撮影チェックをする際に、監督が良いと言っているのに自分で変えちゃうから「見たくない派」という、監督の色に染まることを心得ている。与えられた役に対してのストイックな姿勢が、理にかなったキャラ設定を演じることで、原作にある少女漫画の世界観を見事に表現できた理由だろう。

 『ボス恋』は、ファッション雑誌編集部を舞台に、上白石演じる、「仕事も恋愛もほどほどに。人並みで普通の幸せを手にしたい」という安定志向の鈴木奈未が、ファッション誌「MIYAVI」編集部に就職。そこで「バリキャリ」であり、「超敏腕」「毒舌・冷徹」の鬼編集長・宝来麗子(菜々緒)の雑用係として働きながら、子犬系イケメン御曹司のカメラマン・潤之介(玉森裕太)と出会い、夢を持ち前を向いて生きていく成長物語。

 あらすじを見ると、ドS鬼女編集長に挑む普通の女の子という、上白石が得意とする構図だ。菜々緒と言えば、抜群のスタイルと美貌で、最近は悪女役を得意としているだけに、佐藤健以上のスタイルと身長差がある強敵に、普通の女の子がどう攻略していくのか注目される。ただ違うのは、『恋つづ』は、ドS医師・天堂の冷酷な心を溶かしていくことで、相手が自分を好きになっていくという展開だが、今回はドS編集長を攻略していくうちに、編集長の魅力に惹かれていくという真逆の展開であること。そしてラブストーリーに関しては、『恋つづ』の天堂を分けたかのように、天然のカメラマンの潤之介と、クールでドライな編集部員の中沢良太(間宮祥太朗)とタイプの違う2人が、奈未の頑張りに心が惹かれ、奈未を振り回すという流れになりそう。相手の魅力を引き出すのが得意な上白石が、2人を相手にどんな演技を見せるのか、新たな魅力の開花が期待される。

 上白石演じる“身近な”ヒロイン性がより発揮されそうな本作。その確かな演技力でさらなるヒロイン街道の行方に注目だ。

■放送情報
火曜ドラマ『オー!マイ・ボス!恋は別冊で』
TBS系にて、1月12日(火)スタート 毎週火曜22:00~22:57放送
出演:上白石萌音、菜々緒、玉森裕太、間宮祥太朗、久保田紗友、亜生(ミキ)、秋山ゆずき、太田夢莉、高橋メアリージュン、なだぎ武、高橋ひとみ、倉科カナ、ユースケ・サンタマリア
脚本:田辺茂範
演出:田中健太、石井康晴、山本剛義
プロデューサー:松本明子
編成:宮崎真佐子
製作:TBSスパークル、TBS
(c)TBS

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