青柳翔、劇団EXILEの中心として放つ独特の空気 『今際の国のアリス』『13』で示した演技の幅

青柳翔、年齢を重ねるごとに増す存在感

 俳優というのは、その人の資質によって、持ち味が生かせる年齢というのは違っていると思う。20代で注目される人もいれば、遅咲きの人もいる。青柳は、40代を超えた後に、自分がより発揮できるような時期が来るのではないかと個人的には思っている。その兆しが『今際のアリス』や『13』では見えた気がする。

 取材時の青柳は、決してたくさんしゃべるわけではないが、終始どこかひょうひょうとしたボケを繰り出し、「人を煙に巻くとはこういうことを言うのか!」というような、面白い体験をさせてもらった感覚がある。本サイトの『勇者のために鐘は鳴る』のインタビュー時にも、「舞台で演じる役は?」と聞くと「今のところ俺は、浅田真央ちゃんみたいな感じで……」という予想もつかないような答えが返ってきた(参考:劇団EXILE、9人の異なる個性はどのように交わる? 初の全メンバー出演舞台にかける意気込み)。

 そのときは、何のことか分からなかったが、後日、舞台を観に行ったときにわかった。「浅田真央、まお、魔王……」。インタビューのときも「でも、さっき言った浅田真央ちゃんの件、俺はけっこう本気なんです!」「もちろん、そのままでやる気はないからね!」とも語っていたが、一連の発言はふざけているようだが嘘じゃなかったのだ。青柳翔という人が少し見えた気がした。

■西森路代
ライター。1972年生まれ。大学卒業後、地方テレビ局のOLを経て上京。派遣、編集プロダクション、ラジオディレクターを経てフリーランスライターに。アジアのエンターテイメントと女子、人気について主に執筆。共著に「女子会2.0」がある。また、TBS RADIO 文化系トークラジオ Lifeにも出演している。

■配信情報
Netflixオリジナルシリーズ『今際の国のアリス』
Netflixにて、シーズン1全世界同時配信中
原作:麻生羽呂『今際の国のアリス』(小学館『少年サンデーコミックス』刊)
監督:佐藤信介
出演:山崎賢人、土屋太鳳、村上虹郎、森永悠希、町田啓太、三吉彩花、桜田通、朝比奈彩、柳俊太郎、渡辺佑太朗、水崎綾女、吉田美月喜、阿部力、金子ノブアキ、青柳翔、仲里依紗
脚本:渡部辰城、倉光泰子、佐藤信介
音楽:やまだ豊
撮影監督:河津太郎
美術監督:斎藤岩男
アクション監督:下村勇二
VFXスーパーバイザー:神谷誠、土井淳
エグゼクティブ・プロデューサー:坂本和隆
プロデューサー:森井輝
企画・制作:(株)ROBOT
(c)麻生羽呂・小学館/ROBOT
Netflix作品ページ:https://www.netflix.com/今際の国のアリス

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