“惚れずにはいられない”佐藤健、全方位型の松下洸平 俳優の活躍を軸に振り返る2020年ドラマ座談会

俳優を軸に振り返る【2020ドラマ座談会】

『スカーレット』『#リモラブ』、全方位型の松下洸平

『#リモラブ 〜普通の恋は邪道〜』(c)日本テレビ

Numoto:私はもう一つ推したいドラマがあって、『#リモラブ 〜普通の恋は邪道〜』(日本テレビ系、『#リモラブ』)はかなりいい作品でした。もう、あおちゃん(松下洸平)がかわいい、ごもちゃん(間宮祥太朗)がかわいいで。ひたすらハマっていました。『スカーレット』(NHK総合)と同じ水橋文美江さんが脚本を務めていますけど、雰囲気はだいぶ変わり、普通に声を出して笑っちゃうようなシーンもありました。ただ、突然すごく考えさせられるようなトピックを投げかけてくるところはさすが水橋さんだなと。

佐藤:波瑠さんも合ってますよね! ちょっとコミカルで、波瑠さんは一見するとクールそうな美人ですが、ああいうちょっとスキがある役をされるとすごく好感度が上がるというか。女子として好きってなる!

Numoto:家の中でジタバタ独り言を言っているシーンとかは、お芝居にしたらとても難しい芝居なのに、違和感なく観ることができますよね。あとは松下洸平さんですね。『スカーレット』からずっと気になっています。『#リモラブ』では「受け止め男子」って言われていますが、『スカーレット』の時も「受け止め男子」の片鱗は見せていて(笑)。ちょっと神経質そうな感じとか、真面目すぎて時に空回りもするんですが、すごく真摯に人を愛せる。そういう役を違和感なく演じられる貴重な存在だと思います。誠実な役をしている時、この人は間違いなく誠実だって信頼できるというか。実際バラエティに出演している姿を観ていても、役との乖離があまりないようにも思います。ずーっと地続きで好きでいられる安定感がある。それに歌もできるし、ダンスもできるし、絵も描けるし、なんでもできるんです。

SYO:めちゃくちゃマルチだなって思います。全方位型で、舞台もできるし。舞台俳優や2.5次元俳優の方って今年、すごい大変だったと思うんですよね。そういう人たちにとっても一つの成功例を見せてあげられたっていうイメージがあります。

佐藤:『MIU404』(TBS系)でも完全に爪痕残してましたしね。ソフトな見た目も良くて、何にでも染まれそうですよね。ヒーロー顔ってわけでもないし、会社にいてもおかしくない、クズを演じても愛される。

Numoto:上品でマイルドな顔立ちがいいんですよね。でもどこか色気がある。お父さんでもいいし、彼氏でもいいし。それをいうと田中圭もそういうところありますよね。彼氏、夫、職業人として違和感ないというか。松下さんに話を戻すと、できることが本当に多いのでこれからどうなっていくのかがすごい楽しみです。どんな方向で売れるのかな。いつか福山雅治さんみたいに歌えて芝居もやれて、主題歌もやってってなるのかな、とか考えてしまう。

横浜流星が画面にいるだけで何かが成立

『私たちはどうかしている』DVD-BOX

ーーSYOさんはどうでしょう?

SYO:今年というか常時ですが、横浜流星さんと中村倫也さんも推したいです。お二人は今年、すごかった。流星くんは第43回日本アカデミー賞の新人俳優賞や話題の賞を取りまくっていますけど『シロでもクロでもない世界で、パンダは笑う。』(読売テレビ・日本テレビ系)も『私たちはどうかしている』(日本テレビ系)の中でちゃんと役者としてのクオリティを高めていて。流星くんが画面にいるだけで何かが成立するんですよね。それは本当に、ひょっとしたら佐藤健くんにあった「この人が出たらすべてがOKになる」みたいな感覚を継いでいく人なのかなって思います。

佐藤:横浜流星さんは横顔がすごく綺麗! まつげも長くて。ビューラーしてるのかなって思うくらい。「NARS」のZEN COLLECTIONでキービジュアルを務めていたときも、あまりの美しさに息をのみました。。中性的な魅力もありながら、男性的なセクシーさもある。なのに『初めて恋をした日に読む話』(TBS系)のときは、舞台挨拶でも中村倫也さんからイジられていて、ポヤポヤしたところもあるんですよね。洗練された見た目に、どこか拔けたところがあるなんて、それはもうみんな放っておかないですよね。

Numoto:ビューラーしてると思っていました! 『シロクロ』の時もすごく横顔が綺麗でまつげが上がっていて。絵力がすごい。

SYO:中村倫也さんは、4月頃の自粛期間中に新作ドラマが出てこない中で『美食探偵 明智五郎』(日本テレビ系)はちゃんとコンスタントに観れたので、みんなにとって救いになったと思いますし。

佐藤:中村倫也さんはずるいですよね。すごいふざけたこと言っても許されるし、すごいサイコパスな役をやっても本人自身のパーソナルなイメージに傷はつかないし、本当に七変化な人というか。役として生きているのがすごい分かる。どうしても私は『闇金ウシジマくん』(MBS・TBS)の洗脳くんの衝撃が忘れられなくて。あのフニャフニャの笑顔で心のガードを降ろさせて、心の隙間にすって入ってくる、独特な方なんですよね。

SYO:中村倫也くんに関しては、下積みがすごく長かったからコアな映画ファンもみんな好きってとこが大きいですね。

Numoto:『凪のお暇』(TBS系)のゴンさんとか、上野樹里さんとやっている大和ハウスのCMも、一瞬、中村倫也に見えないぐらいイメージ違いますよね。弱々しい姿を見せたかと思うと、別の作品では突然男らしくなったり。あとは美声も魅力です。そう考えると、武器が他にある人は強いのかな。アクションとか、歌が歌えるとか、+αがあってそれを作品でも生かすことができると大きいのかなって感じはしますね。

佐藤:かつては役作りのためにそれをやりましたって話が多かったけど、今はそれが得意なのでオファーされましたみたいな人が多い気がします。役者としての基礎体力が求められているというか。横浜流星さんの空手だったり、松下洸平さんのダンスだったり……俳優の方が演技力の根底にある人間力を活かしてマルチに活躍されているのは非常に頼もしいですよね。

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