染谷将太、小日向文世らまだまだ怪しい存在が 『危険なビーナス』最終回に向けて黒幕を大胆予想
妻夫木聡が主演を務める、日曜劇場『危険なビーナス』(TBS系)が、12月13日に最終回を迎える。失踪した弟の行方、吉高由里子演じる楓の真の目的、そして犯人の正体とは。最終回に向けて、まだ明かされていない謎を探ってみたいと思う。
東野圭吾原作の『危険なビーナス』は、独身獣医師の手島伯朗(妻夫木聡)が、異父弟・矢神明人(染谷将太)の妻だと名乗る謎の女性・楓(吉高由里子)から明人が失踪したことを聞かされ、明人探しの協力を依頼。明人は、危篤状態(前回死亡)の名門八神家の現当主・康治(栗原英雄)の血を引く唯一の存在で、前当主で康治の父・康之介(栗田芳宏)の30億とも言われる遺産を相続する権利を持つ。相続絡みで事件に巻き込まれたと考える2人は、疎遠となっていた名門・矢神一族の謎に挑んでいく。
当初は遺産相続の争いは金銭的なものかと思われたが、康之介の次男・牧雄(池内万作)や康之介の養子・勇磨(ディーン・フジオカ)が狙っていたものは、康治が残した後天性サヴァン症候群記録。要は人為的に天才を作りだせる研究資料の奪い合いが、30億の遺産よりも価値があるものとして水面下で行われていた。前回「母から譲り受けた貴重なものを渡さなければ明人を殺す」という犯人からのメールが伯朗に届き、公式サイトの次回あらすじには、“楓は後天性サヴァン症候群の研究記録さえ見つかれば明人を救い出せると波恵(戸田恵子)に訴え”とあるので、母の貴重な物の正体であり、犯人の狙いも研究記録なのが分かる。
ただ、勇磨たちが本当に探しているものは、伯朗の実父であり画家の手島一清(R-指定)が描いた「寛恕の網(かんじょのあみ)」。脳の研究をしていた康治と牧雄は、一清が脳腫瘍を患った際に治療を受けた後に描いた、無数の点と曲線が精巧綿密に連なる幾何学模様のフラクタル図形に何かを見出す。牧雄曰く「人類の未来だ」という絵の話を聞いて、伯朗がフラッシュバックしたのは、一清が死ぬ間際に描いた「寛恕の網」に間違いないだろう。しかし、一清が描いた作品群の写真を収めた母・禎子(斉藤由貴)のアルバムで「寛恕の網」だけ抜き取られていたことや、康治が研究を突如止めたことなどから、人間が手を出してはならない領域だと気づいた康治、もしくは母が絵を封印したと考えられる。
病床で康治が伯朗に「明人に背負わなくていい」と伝えたことは、単純に遺産だけでなく、絵のことでもあると推測される。そして謎の言葉「あきとにうらむな」というメッセージに関しては、ネット上ではある素数の謎に迫る数学用語ではないかと議論されているが、背負うなと言いつつ、絵の真意を教えてしまう矛盾は何を意味するのか。