染谷将太、小日向文世らまだまだ怪しい存在が 『危険なビーナス』最終回に向けて黒幕を大胆予想

『危険なビーナス』黒幕を大胆予想 

 前回の最後では、明人の従妹の百合華(堀田真由)が、楓の母(山下容莉枝)とされる人物の後をつけると何者かに拉致。縛られた明人が「楓さんに近づき過ぎたようだね」と声をかけ、そして楓のスマホに百合華を捕らえたメールが届いたことから、楓は拉致犯と繋がっていることが証明された。最初から明人が失踪中なのに終始冷静で、関係者のアリバイを聞いていく姿など、どう見ても警察か探偵のような動きをしているのは明白。また明人は人工知能を研究している頭の良い設定で、曲者俳優の染谷将太が演じている時点で一筋縄ではいかないはず。また気になるのが、犯人は明人に対してもメッセージで脅迫をしていることから、犯人をおびき出すおとりとして、拉致されている芝居をしている可能性が高い。どちらにしろ身を隠し、命が狙われているのは事実だろう。

 では犯人は誰なのか。前回、康之介の愛人で養子となった佐代(麻生祐未)が疑われたが、もし誘拐するなら遺産を相続した後にこっそり殺すと否定し、その説明に皆も納得していたことから、兄弟姉妹の中に真犯人はいないと考えられる。そこで忘れてならないのは、伯朗の叔父にあたる兼岩憲三(小日向文世)。数学者なだけに「寛恕の網」の価値や恐ろしさを一番理解できる男。ネット上でも、真犯人の最有力候補に挙げられている。一清の絵を引き受け家に置いておきながら、伯朗が父親一番好きだった父親が最後に描いた絵が見当たらないと言った時に、軽く聞き流すシーンもあり、絵の存在を知っている数少ない人物。また楓が最初からターゲットが決まっているかのようにアリバイを聞くなど、当初から怪しい伏線をはられている。ただ、明人を拉致し消息不明になった場合、遺産は兄弟で分けることになり、逆に手に入りづらくなるのではないだろうか。もし犯人だった場合、絵を手に入れたい理由が、数学者としての欲望のためか、人類を守りたいためか、それにより印象が変わる。

 そして前回、遺産争いのダークホースとなったのが、矢神家の使用人兼執事・君津光(結木滉星)。元々マッチングアプリで、康治の実の妹・波恵と出会い、矢神家で働くことになったが、後に康之介の隠し子だと判明し、明人への相続が不可になった場合の遺産分配の1人となった。君津はドラマオリジナルキャラクターというのが、原作とラストを変えてくるキーパーソンになる可能性も。冷静沈着な波恵がマッチングアプリを使う発想がどうも解せないが、IT関連の仕事をしている明人からの刺客の可能性も。

 禎子の死に関しては、絵の存在を知りたい誰かの仕業が濃厚だろう。妻が悲しむからあまり禎子の死のことは言わないでと漏らした、あの男なのだろうか? 禎子の存在が一番ミステリアスでもある。禎子が康治からもらった「もっと価値のあるもの」というのは、2人の間に生まれた明人かと思われたが、もしそれが家族より絵だった場合、ある意味恐ろしい。夫を実験に使った医師とすぐに再婚した本当の理由は何だったのか。『危険なビーナス』とは母・禎子のことだったら面白いが、その可能性は低いだろう。

 ほかに気になるのは伯朗の妄想癖だが、あれだけ毎回行うフリは最終回で何かあるのか……。あれも後天性サヴァン症候群の後遺症だったら、かなりミステリアスな作品になるが、そうでないとも限らない。とにもかくにも最終回を楽しみに待とう。

■放送情報
日曜劇場『危険なビーナス』
TBS系にて、毎週日曜21:00~21:54放送
出演:妻夫木聡、吉高由里子、ディーン・フジオカ、染谷将太、中村アン、堀田真由、結木滉星、福田麻貴(3時のヒロイン)、R-指定(Creepy Nuts)、麻生祐未、坂井真紀、安蘭けい、田口浩正、池内万作、栗原英雄、斉藤由貴、戸田恵子、小日向文世
原作:東野圭吾『危険なビーナス』(講談社文庫)
脚本:黒岩勉
プロデューサー:橋本芙美(共同テレビ)、高丸雅隆(共同テレビ)、久松大地(共同テレビ)
演出:佐藤祐市、河野圭太
製作:共同テレビ、TBS
公式サイト:https://www.tbs.co.jp/kikenna_venus/
(c)TBS

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