松本利夫主演映画『無頼』から改めて昭和を振り返る 井筒和幸監督8年ぶりの新作は集大成に

井筒和幸監督作『無頼』から昭和を振り返る

 そして、アウトロー作品の主人公の多くがそうであるように、井藤もまた窮地に立たされていきます。自身の美学と公的な倫理ーー前者を優先する者は、物語において生きてはいけません。仁義に生きる人間はその数を減らしていきます。

 その時、井藤はどんな道を選ぶのか。物語の終盤には固唾を呑んで見守ることになるかと思います。146分という濃厚な本作。近年ここまでボリューミーかつ重厚な日本映画も多くはないのではないでしょうか。映画館で観たい1作です。

■公開情報
『無頼』
12月12日(土)より、新宿 K’s cinemaほか、全国順次ロードショー
監督:井筒和幸
出演:松本利夫(EXILE)、柳ゆり菜、中村達也、ラサール石井、小木茂光、升毅、木下ほうか
配給:チッチオフィルム
配給協力:ラビットハウス
2020年/日本/146分/カラー/ビスタサイズ/5.1ch/R15
(c)2020「無頼」製作委員会/チッチオフィルム
公式サイト:www.buraimovie.jp
公式Twitter:@buraimovie

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