『ルパンの娘』最終回に続くスペシャルエピソードも見どころ満載 大貫勇輔が物語の中心に

『ルパンの娘』大貫勇輔が物語の中心に

 “Lの一族”と北条家の因縁の裏には“もう1人のLの一族”がいる。そんな新事実が明らかになると同時に、2期の実質的な最終回と呼べるエピソードが展開した前回の『ルパンの娘』(フジテレビ系)。それを経て12月10日に放送されたのは『ルパンの娘〜愛の物語〜』と題されたスペシャルエピソード。円城寺(大貫勇輔)を物語の中心に据えた、いわばエピローグ、いやカーテンコールと表現した方が適切なサービス回といったところだが、2期の後半では少なかったアクロバティックな泥棒シーンも満載で、なかなかの見応えときた。

 ふたたび平穏な日々を取り戻すことができた華(深田恭子)と和馬(瀬戸康史)の前に、円城寺が苦しそうな様子で現れる。いつものように歌うこともままならない円城寺は、緊急来日を果たした父の豪(市村正親)の要望に応えるため、華に1日だけフィアンセのフリをしてほしいと頼み込むのだ。渋々それを引き受けた華だったが、豪は華がつけている指輪を見て激昂。円城寺家の花嫁に贈ると決めていたグレース・ケリーのダイヤモンドリングを盗み出すよう円城寺に言い渡す。しかしそれは尊(渡部篤郎)たちが狙っていたもので、突如として円城寺家と“Lの一族”で華を賭けた泥棒合戦を繰り広げることに。

 2期ではすっかり“歌のおにいさん”としての役割が中心だった円城寺だが、1期の後半では華にプロポーズをしたり、最終回では華を守るために(もちろん歌って踊りながら)敵を倒していくなど大活躍を果たしていたわけで。そう考えると今回のエピソードは、円城寺と華の関係を子供時代から振り返りながら、フラストレーションを一気に解放するためのものといったところか。盗みに入った屋敷のセキュリティを華麗なステップで交わしていく姿と、叶わぬ想いを抱えながら、華の幸せをただ願いつづけるドラマティックさ。そして、これがテレビドラマとは思えないほど本格的な円城寺親子のミュージカルシーン。

 もちろんこんな“おまけ感”満載のエピソードであっても、物語の大筋はこれまでの流れをしっかりと汲み取っていく。尊が前回、“Lの一族”の名を騙っていた窃盗団の1人にこっそりと仕掛けていたGPSの電波が途絶えてしまい、その改良を渉(栗原類)ではなく猿彦(我修院達也)に託す。すぐさま美雲(橋本環奈)は、尊が何か家族に言えない秘密を抱えていることを見破るのだ。それはつまり“もう1人のLの一族”である、三雲玲の存在に他ならない。実は今回の円城寺家との泥棒対決というのも、豪が“Lの一族”の秘密を華にバラすと揺さぶりをかけたことがきっかけになって行なったもの。そこで尊が明かす、華が“盗まれた子供”だったという衝撃的な言葉。なるほど、今回の序盤で華が子供時代を懐かしんでディアボロを買ってきた際の、尊と悦子(小沢真珠)のぎこちない素振りはそこへつながるというわけか。先週制作が発表された劇場版では“Lの一族”と三雲玲の対峙に加え、華の出生の秘密が解き明かされることになるのだろう。

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