「うちがあんたらを捨てたんや」 『おちょやん』千代の強く切ない故郷からの旅立ち

「うちがあんたらを捨てたんや」 『おちょやん』千代の強く切ない故郷からの旅立ち

 今週から新たに始まった連続テレビ小説『おちょやん』(NHK総合)。第1週「うちは、かわいそやない」では、のちに“大阪のお母さん”呼ばれる大女優に成長する千代(毎田暖乃/杉咲花)がわずか9歳で家を追われるまでが描かれた。

 吞んだくれの父・テルヲ(トータス松本)から苦労を負わされ、弟・ヨシヲ(荒田陽向)を抱えながらも幼い頃に亡くした母・サエ(三戸なつめ)との約束を胸に日々逞しく生きていた千代。今日食べる物にも事欠く毎日だが、暗い影を落とさない竹井家の暮らしは平和に見えた。だが、ある日テルヲが連れてきた継母・栗子(宮澤エマ)の存在が千代の生活を大きく揺るがしていく。

 家事を全くする気がない上に、千代不在の中ヨシヲをほったらかし、危険な目に遭わせた栗子。あろうことか、彼女はテルヲに子ども二人を奉公に出させようと提案する。

 それなのに父親や近所の男衆はみんな美人な栗子にメロメロ。ヨシヲまでもお腹をさすっていた栗子のために薬草を摘み、そんなヨシヲを栗子は手料理でさらに手懐けた。「なんやねん、どいつもこいつも栗子栗子って」。女性は子供でも、何となく男性にはわからない同性の計算高さに気づくものだ。しかも、なんと栗子はすでにテルヲとの(?)子供をお腹に授かっているという。

 お腹の子供とテルヲと3人で暮らしたい。だから血の繋がりがない千代とヨシヲが目障りだと開き直る栗子を、千代は「こねえな家こっちから出ていってやるわ」と罵る。けれど、本当の母親の顔を知らないヨシヲにとって、栗子はようやくできた唯一無二の“お母さん”。身体一つで栗子を庇うヨシヲのために、千代は一人で奉公に出ることを決意した。

 そうして千代は大阪道頓堀の芝居茶屋にお世話になることが決まり、家を出る前日までバタバタと準備に追われる。綺麗なおべべを着させてもらった千代はいつものようにひょうきんな笑顔を見せるが、どこか寂しそうだ。

 少しだけ出席した小学校の先生(木内義一)にも別れを告げる千代。両親がいて、毎日学校に通える同級生と自分との違いに悩む千代に、先生は「色んな子がいて、みんなそれぞれ頑張ってるんです。あえて言うならそれが普通です。学校に行けなくても竹井さんは普通ですよ」と餞別の言葉を送る。近所に住む同級生・勝次(原知輝)も口では強がっているが、その表情から千代との別れを惜しんでいることが伝わった。

 どんなに貧しくとも周囲の人に支えられる南河内での日々が千代にとっては大切だったのだ。母から受け継いだ「明日もきっと晴れやな」という呪文のような言葉を呟く千代の姿が切ない。

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