宮藤官九郎×長瀬智也、再タッグに寄せる期待 クドカン×ジャニーズという組み合わせの妙

 2021年1月期の金曜ドラマ(TBS系22時枠)で、クドカンこと宮藤官九郎が脚本を手掛ける長瀬智也主演のホームドラマ『俺の家の話』が放送される。

 長瀬が演じるのは、ブリザード寿というリングネームで活躍するプロレスラー・観山寿一。全盛期を過ぎた観山は小さな団体でほそぼそと試合に出ていたが、ある日、父が危篤だという連絡が入る。

 寿三郎は、全国に1万人以上の門弟を持つ二十七世観山流宗家にして、重要無形文化財「能楽」保持者の人間国宝。寿一はその跡取りだったが、父に反発して家出をし、20年以上音信不通となっていた。なんとか一命を取り留めた寿三郎は介護ヘルパーの女性と婚約すると言い、財産もすべて彼女に譲ると宣言。寿一はプロレスラーを引退し、父の介護を手伝うことになるのだが、やがて遺産相続お争いに巻き込まれていく……。

 本作は、来年3月にジャニーズ事務所を退所し「裏方に回る」長瀬智也の俳優引退作になると言われている。その最後の花道がクドカンドラマになることは、彼のキャリアを考えれば当然のことだろう。

 宮藤と長瀬が初めて組んだのは、2000年の『池袋ウエストゲートパーク』(TBS系)。本作は宮藤がはじめて民放プライムタイムの連ドラを手掛けた作品だ。長瀬が演じたのは池袋で起きる事件を解決するトラブルシューターの真島マコト。石田衣良の原作小説ではクールな青年だったマコトを、宮藤は「バカだけど優しい不良のお兄ちゃん」に脚色した。

 これまで『白線流し』(フジテレビ系)等の作品で長瀬が演じてきた役は、どこか影のあるワイルド系の青年という印象だった。対して本作のマコトは、全盛期の三船敏郎や萩原健一を彷彿とさせる野獣のような存在感を漂わせており、こういう男がテレビドラマで魅力的に描かれたことは衝撃だった。本作で俳優・長瀬智也のイメージは確立された。

 その後、長瀬が出演したクドカンドラマは、ヤクザ出身の落語家・山崎虎児を演じた2005年の『タイガー&ドラゴン』(TBS系)、惚れた相手が必ず犯罪者になってしまう刑事・うぬぼれを演じた2010年の『うぬぼれ刑事』(TBS系)の2作。映画では宮藤の監督作『真夜中の弥次さん喜多さん』と『TOO YOUNG TO DIE! 若くして死ぬ』で主演を務めた。

関連記事

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「国内ドラマシーン分析」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる