宮沢氷魚、『エール』で第三の王子様系キャラに 歌唱シーンでは父譲りの美しい歌声を披露

宮沢氷魚、『エール』で第三の王子キャラに

 『エール』でもそんな宮沢独自の魅力は健在だ。看護師たちに囲まれ、病院の患者からも愛され、誰からも大切にされるアキラは、「ハッピー・バースデー」の歌をプレゼントしたり、白い筋を丁寧にむいたみかんを渡すなど粋な計らいで多くの人に愛情を返していく。アキラのこうした姿は、宮沢の優しい声と美しい所作が相まってより暖かい人柄に映るのだ。

 見事な歌唱シーンには、SNS上で「お父さんに声までそっくり」という声も散見された。そんな美しい声も、これから俳優として活動するにあたっては大きな武器になるだろう。さらにリハビリのシーンや病室のシーンでは、大きな手や広い肩幅、長い首と、そのスタイルの良さが際立つ。華がリハビリをする中で打ち解け合い、心を開いていく重要なシーンで、バランスの取れたビジュアルから放たれる魅力は、華が恋に落ちていく様子をより臨場感たっぷりに表現した。こうした身体の魅せ方は、モデルとして培ってきた経験が役立っていると思われる。

 第23週のラストには、「嘘は苦手」と言いつつも、成り行き上ロカビリー歌手であることを隠し、裕一と隣同士のベッドで入院生活を送ることに。だが退院時に口から「ステージ」という言葉が飛び出し、嘘がバレそうになってしまう。音(二階堂ふみ)に“嘘つきのロカビリー”とまで言われてしまっていたアキラは、無事、裕一に華との交際報告を認めてもらえるのだろうか。アキラというキャラクターが怪我から復帰し、これからどう“暴れて”くれるのか楽しみだ。

■Nana Numoto
日本大学芸術学部映画学科卒。映画・ファッション系ライター。映像の美術等も手がける。批評同人誌『ヱクリヲ』などに寄稿。Twitter

■放送情報
連続テレビ小説『エール』
2020年3月30日(月)~11月28日(土)予定(全120回)
※9月14日(月)より放送再開
総合:午前8:00〜8:15、(再放送)12:45〜13:00
BSプレミアム・BS4K:7:30〜7:45
※土曜は1週間を振り返り
出演:窪田正孝、二階堂ふみ、中村蒼、山崎育三郎、森七菜、岡部大、薬師丸ひろ子ほか
写真提供=NHK
公式サイト:https://www.nhk.or.jp/yell/

関連記事

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「国内ドラマシーン分析」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる