『エール』古川琴音の恋愛物語が展開 伊藤あさひとの回想シーンも

『エール』古川琴音の恋愛物語が展開

 音(二階堂ふみ)からお見合いの話が出て、仕事一筋である華(古川琴音)の恋愛模様に注目が集まる『エール』(NHK総合)。第113話では、華と渉(伊藤あさひ)が恋愛していた過去を明かされながら、華が自らを顧みて新たな恋に勤しむ決意をしていく回となった。

 プロ野球選手になることができなかった渉に対して、華は「諦めないで、またきっとチャンスは来る」と、社会人でも野球を続けてプロを目指すためのエールを送る。ただし、その言葉が渉には重くのしかかり、「君はいい人だ、でも僕には重い」と別れを告げられてしまう。

 一方で、池田二郎(北村有起哉)は、数々のラジオドラマをヒットさせたことで、大きなエンターテインメント会社にヘッドハンティングされ、そこで喜劇の大物総出演のミュージカルを手掛けることになり、裕一(窪田正孝)にその曲をお願いすることに。裕一にとっては念願の大仕事であり、順風満帆そのものだ。

 そして、渉と別れて以降、看護婦の仕事に明け暮れている華は、恋らしき恋はしてこられずにいた。華自身も仕事に生きがいを感じていたのもあり、自分から恋愛をするモードにはなっていなかったこともあるように見えていた。

 すると同僚から結婚報告があり、ついに華は看護婦の中で独身最年長となった。25歳で独身最年長であることも結婚を意識せざるを得なくなることも、生き方が多様化してきた現代だと受け入れがたい側面もあるが、当時はまだ結婚こそが人生の幸せであるという価値観も強かったのだろう。

 華は真面目で優しい。それゆえに看護婦として信頼されているし、彼女に救われる人がたくさんいる。しかし、それが時折重く感じられ、相手を追い込んでしまうこともある。

 華を演じる古川琴音。彼女の魅力は、声や佇まいに彼女独特の個性を持ちつつも、自然と役に溶け込んでいけるその絶妙なバランスだろう。出演していると何か目を離すことができない魅力を持っている。『エール』のみならず、現在放送中の『この恋あたためますか』(TBS系)や11月20日公開予定の映画『泣く子はいねぇが』にも出演予定、そして来春公開予定の『街の上で』はヒロインにも抜擢されている注目女優の一人だ。

 そんな自分を顧みて、華は最後に「軽い女になる」と意気込んで幕を閉じた。新たな華の誕生を予感させた第113話。華がどのように変わっていくのか、そして霧島アキラ(宮沢氷魚)との関係がどのように発展していくのかが気になるところだ。

■岡田拓朗
関西大学卒。大手・ベンチャーの人材系企業を経てフリーランスとして独立。SNSを中心に映画・ドラマのレビューを執筆。エンタメ系ライターとしても活動中。TwitterInstagram

■放送情報
連続テレビ小説『エール』
2020年3月30日(月)~11月28日(土)予定(全120回)
※9月14日(月)より放送再開
総合:午前8:00〜8:15、(再放送)12:45〜13:00
BSプレミアム・BS4K:7:30〜7:45
※土曜は1週間を振り返り
出演:窪田正孝、二階堂ふみほか
写真提供=NHK
公式サイト:https://www.nhk.or.jp/yell/

関連記事

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「国内ドラマシーン分析」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる