『エール』でも活躍! 徳永えり、光石研、相島一之、松尾諭ら、朝ドラ常連俳優に注目
現在放送中の朝の連続テレビ小説『エール』(NHK総合)。9月21日から放送された第15週「先生のうた」に、音(二階堂ふみ)が開いた音楽教室の生徒・弘哉(外川燎/山時聡真)の母トキコ・として徳永えりが出演すると、SNS上では「朝ドラ常連俳優だ」「安心感がある!」と話題になった。『エール』に出演する朝ドラ常連の顔に着目していきたい。
女手一つで子供を育てる母親を演じる徳永えり
朝の連続テレビ小説の出演は、今作で4作品目となる。2012年度放送の『梅ちゃん先生』(NHK総合)、2013年度放送の『あまちゃん』(NHK総合)に出演し、2017年度放送の『わろてんか』(NHK総合)では、葵わかな演じる主人公・てんの身の回りを世話する女中トキを演じていたのが記憶に新しい。徳永は、てんにとって姉のような存在で、親友となるトキを快活に演じていた。当時話題となったのは、濱田岳演じる風太との掛け合い。「濱田岳との掛け合いが毎週たのしみだった」という声もあがっていた。
徳永演じるトキコは、慎み深い女性だ。情熱的で行動力溢れる音とは対照的に、物静かな女性だが、息子を想う愛情深さには筋が通っており、その姿はとても魅力的に映る。徳永が見せる弘哉への優しい眼差しや古山家とのあたたかな交流は、戦時下の不穏な空気の中で、やわらかな光をもたらしてくれる。
またネット上では、『アンサング・シンデレラ 病院薬剤師の処方箋』(フジテレビ系)で見せた徳永の演技とのギャップに驚く声も。徳永はトキともトキコとも違う鬼気迫る表情で処方薬に依存する母親役を好演。顔つきが全く異なることから、徳永が演じていることに気づかず「似ている俳優だと思った」というコメントもあった。
日常で見かけるような普通の人物像からクセのある役柄まで演じ分ける徳永の今後の出演作にも期待が高まる。
まさに朝ドラ常連俳優。音の父を演じ、視聴者に深い印象を残した光石研
音の人生に多大な影響を与えながらも、物語序盤でこの世を去ってしまう音の父・安隆を演じた光石。彼の朝ドラ出演は、なんと今作で7作目。1983年度放送の『おしん』(NHK総合)に始まり、2017年度に放送された『ひよっこ』(NHK総合)では、主人公・みね子(有村架純)が働く赤坂の洋食屋「すずふり亭」のすぐ隣に店を構える中国料理屋「福翠楼(ふくすいろう)の店主・福田五郎を演じていた。すずふり亭のバックヤードで、コックの元治(やついいちろう)らと油を売る姿は気さくなオヤジであり、妻・安江(生田智子)とのやりとりは「2人の演技が自然で、本当に居そうな夫婦」だと視聴者に評判だった。
今作での光石の登場シーンは第4回と第7、8回、そして裕一(窪田正孝)をとりまく登場人物たちにスポットを当てたオムニバス形式の物語が描かれた第12週「アナザーストーリー」の第55回、56回のみである。光石は登場が少ないながらも、安隆が音の情熱や行動力を育んだ重要な人物であることを示した。登場しなくなってからも、音の口から「お父さん」と出るたび、光石演じる安隆の穏やかな笑顔が浮かぶ。第12週、妻・光子(薬師丸ひろ子)とのシーンでは、その深い夫婦の絆に涙した視聴者も少なくない。