久保帯人 meets 『ハリー・ポッター』!? 『BURN THE WITCH』アニメ版は風景描写に注目

 レジェンドの帰還――。累計発行部数1億2000万部を誇る人気マンガ『BLEACH』の作者・久保帯人による新作マンガ『BURN THE WITCH』が、2018年に発表された読み切り版に続き、2020年の9月から全4回にわたって短期集中連載され、さらにはアニメ化。10月2日の劇場公開と同時に、Amazon Prime VideoとひかりTVでの配信が始まった。

 劇場公開と同時にAmazon Prime Videoで配信という流れは『PSYCHO-PASS サイコパス 3 FIRST INSPECTOR』や、『劇場』と同じ形式。ちなみに『劇場』は新型コロナウイルスの影響を受けての特別措置で、劇場公開からNetflix配信に切り替えた『泣きたい私は猫をかぶる』に近い形だ。

 しかしアニメ『BURN THE WITCH』においては、久保が「ネーム描いて現場と共有し、原稿も描いたものから共有し、デザインもできるだけ共有し、脚本も全チェックし、セリフやシーンの変更点も全て演出意図を確認し、オーディションも収録も最初から最後まで参加し、できるところは全て、納得いくまで協力しました」と語る通り、入念な仕込みと、チームワークによって作り出された一作。まさに「マンガとアニメの完璧な同時展開」といえるプロジェクトなのだ。

 ではまず、『BURN THE WITCH』のあらすじを紹介しよう。舞台はイギリス・ロンドン。遥か昔から、かの地における全死因の72%は、人々が見ることのできない「ドラゴン」と呼ばれる“異形の存在”が関わっていた。社会の秩序のためには、ドラゴンの管理が不可欠だが、ドラゴンはほとんどの者には目に見えない。彼らを視認できるのは、ロンドンの“裏側”に広がる街「リバース・ロンドン」の住人だけだ。したがって、リバース・ロンドンの住人たちはドラゴンの保護・管理を請け負うこととなった。

 さらに、ドラゴンの直接接触は、特別な試験をパスした「魔女(ウィッチ)/魔法使い(ウィザード)」と呼ばれる資格保持者のみに許される、というのがこの世界のルール。本作では、新橋のえるとニニー・スパンコールという“魔女”コンビが、ドラゴンにまつわる事件を解決に導く姿を描いていく。

 『BLEACH』のメインの戦闘スタイルは刀だったが、本作においては銃。『BLEACH』における「鬼道」は、「マジック♯(ナンバー)」に置き換えられる。また、読み切り版では、『BLEACH』と同じ世界線にあることが示唆され、ファンを狂喜させた。

 久保のセンスが光る基本設定、ダブルヒロインであるのえるとニニーのキャラクター、さらには『BLEACH』とのつながりなど、『BURN THE WITCH』はイマジネーションの宝庫だが、ある作品との比較も面白い。それは、『ハリー・ポッター』&『ファンタスティック・ビースト』シリーズだ。

 『BURN THE WITCH』のリバース・ロンドンとフロント(表)・ロンドンという設定は、魔法界と人間界を想起させるし、「魔法使い」と「魔女」という単語も出てくる。読み切り版では、「電話ボックスがリバース・ロンドンとフロント・ロンドンをつなぐ移動手段」として描かれ、『ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団』と共通する要素も。

 のえるとニニーが使う、笛にも銃にもなる武器は杖に代わるものとも見ることができ、ドラゴンに乗って移動するのはほうき、さらにマントと制服というコスチューム、新聞がリバース・ロンドン用に切り替わる設定や、ドラゴンを飼育する描写など、両シリーズを比較するだけでも楽しめる。言い過ぎなきらいはあるが、久保帯人 meets 『ハリー・ポッター』的なワクワク度を感じられるのは、確かだ。

 ではここからは、その『BURN THE WITCH』のアニメ版について、ご紹介していきたい。

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