『姉ちゃんの恋人』の岡田惠和、『35歳の少女』の遊川和彦など、10月期ドラマは脚本家に注目!

『姉ちゃんの恋人』の岡田惠和、『35歳の少女』の遊川和彦など、10月期ドラマは脚本家に注目!

遊川和彦が追求する作風の進化

『35歳の少女』(c)日本テレビ

 『35歳の少女』の遊川和彦は、上述の2人を含む3人のなかでもっとも作家性が強く、それがドラマ作品にも現れている。直近の『同期のサクラ』(日本テレビ系)や演出にも携わった『ハケン占い師アタル』(テレビ朝日系)は、お仕事ドラマの中に人と人の絆をメッセージとして込めた感動的な作品として受容された。だが、単発の作品を見るだけでは、遊川が作品に込めた「毒」をうっかり見過ごしてしまうことになりかねない。

 遊川作品の主人公に対する追い込み具合は尋常ではない。『純と愛』(NHK総合)では、主人公・純(夏菜)の相手役・愛(風間俊介)がこん睡状態のまま最終話を迎え、朝ドラファンを騒然とさせた。『〇〇妻』(日本テレビ系)では主人公が死亡。『同期のサクラ』でもサクラ(高畑充希)は事故に遭い、第8話まで意識不明だった。ロボット的な主人公が多いのも特徴。周囲の反応を気にせず猪突猛進するサクラや『過保護のカホコ』のカホコ(高畑充希)、喜怒哀楽を表に出さない『家政婦のミタ』(日本テレビ系)の三田灯(松嶋菜々子)は代表的なキャラクターだ。こういった特徴は2010年代以降、特に顕著になっている。

 主人公が10歳から25年間眠り続ける『35歳の少女』は、遊川作品の中で「家族をテーマにした作品」と言えば言えるが、それだけでなく随所に遊川ならではの遊び心と毒が仕込んであると考えるのが妥当だ。過去作と比較して、作品の発展過程に注目してみてもいいだろう。

 ポストコロナの分断の時代に、オリジナル脚本で真っ向勝負する脚本家たち。従来の制作手法が立ち行かなくなる状況下で、独自の物語世界を持った彼らの挑戦は「物語の力」を復権するものとも言える。それは、2020年代のドラマにも貴重な示唆を与えてくれるはずだ。

■石河コウヘイ
エンタメライター、「じっちゃんの名にかけて」。東京辺境で音楽やドラマについての文章を書いています。ブログTwitter

■放送情報
『姉ちゃんの恋人』
カンテレ・フジテレビ系にて、10月27日(火)スタート 毎週火曜21:00〜放送
出演:有村架純、林遣都、奈緒、高橋海人(King & Prince)、やついいちろう、日向亘、阿南敦子、那須雄登(美 少年/ジャニーズJr.)、スミマサノリ、井阪郁巳、南出凌嘉、西川瑞 、和久井映見、光石研、紺野まひる、小池栄子、藤木直人ほか
脚本:岡田惠和
音楽:眞鍋昭大
演出:三宅喜重(カンテレ)、本橋圭太、宝来忠昭
プロデュース:岡光寛子(カンテレ)、白石裕菜(ホリプロ)、平部隆明(ホリプロ)
制作:カンテレ、ホリプロ
(c)カンテレ
公式サイト:https://www.ktv.jp/anekoi/
公式Twitter:https://twitter.com/anekoi_tue21
公式Instagram: https://www.instagram.com/anekoi.tue21

『七人の秘書』
テレビ朝日系にて、10月22日(木)スタート 毎週木曜21:00~21:54放送
出演:木村文乃、広瀬アリス、菜々緒、シム・ウンギョン、大島優子、室井滋、江口洋介
脚本:中園ミホ、香坂隆史、林誠人
演出:田村直己(テレビ朝日)ほか
音楽:沢田完
エグゼクティブプロデューサー:内山聖子(テレビ朝日)
プロデューサー:大江達樹(テレビ朝日)、 浜田壮瑛(テレビ朝日)、大垣一穂(ザ・ワークス)、角田正子(ザ・ワークス)
制作協力:ザ・ワークス
制作著作:テレビ朝日
(c)テレビ朝日

『35歳の少女』
日本テレビ系にて、10月10日(土)スタート 毎週土曜22:00〜22:54放送
出演:柴咲コウ、坂口健太郎、橋本愛、田中哲司、富田靖子、竜星涼、鈴木保奈美、細田善彦、大友花恋
脚本:遊川和彦
チーフプロデューサー:池田健司
プロデューサー:大平太、諸田景子
演出:猪股隆一ほか
制作協力:AX-ON
製作著作:日本テレビ
(c)日本テレビ
公式サイト:https://www.ntv.co.jp/shojo35/
公式Twitter:@shojo35

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