『姉ちゃんの恋人』の岡田惠和、『35歳の少女』の遊川和彦など、10月期ドラマは脚本家に注目!

『姉ちゃんの恋人』の岡田惠和、『35歳の少女』の遊川和彦など、10月期ドラマは脚本家に注目!

 秋ドラマのラインナップが出揃った。コロナ禍で変則的な放送日程を強いられた各局が巻き返しを狙う中、『姉ちゃんの恋人』(カンテレ・フジテレビ系)、『七人の秘書』(テレビ朝日系)、『35歳の少女』(日本テレビ系)は、ドラマの第一人者が脚本を担当するオリジナル作品として注目が集まっている。

家族の姿を見つめる岡田惠和

『姉ちゃんの恋人』(c)カンテレ

 『姉ちゃんの恋人』の岡田惠和は、トレンディドラマ全盛期から活躍する1人だ。どこか懐かしさを感じさせる作風は、初めて全話を担当した『南くんの恋人』(テレビ朝日系)から最近作まで一貫している。根強いファンを持つ岡田だが、琴線に触れるような珠玉のセリフは最高のヒロインを得たときにその真価を発揮する。『イグアナの娘』(テレビ朝日系)の菅野美穂、『ちゅらさん』(NHK総合)の国仲涼子は、言葉がヒロインの魅力を引き出した好例と言えるだろう。

 そんな岡田にとって、目下、最高のヒロインと言っていいのが有村架純だ。朝ドラ『ひよっこ』(NHK総合)でタッグを組んだ両者だが、映画『阪急電車 片道15分の奇跡』、連続ドラマ『チキンレース』『そして、生きる』(いずれもWOWOW)、『ひよっこ2』(NHK総合)に続いて、今作は6作目の“共演”。柔らかさと親しみやすさを兼ね備えた有村と岡田の作品世界は相性が良く、世代を代表する女優となった現在の有村について、岡田は「最強レベルにある」と賞賛を惜しまない。

 『姉ちゃんの恋人』で有村が演じるのは、ホームセンターで働く安達桃子。書き手としての岡田は、家族ドラマの系譜に位置づけられる。とはいえ、山田太一や向田邦子たち先人と比べて、家族のあり方は時代とともに様変わりしており、疑似家族やコミュニティが頻出する岡田の作品は「拡大された家族ドラマ」と言えるだろう。『姉ちゃんの恋人』で3人の弟を懸命に養う桃子は、ひそかに同僚の吉岡(林遣都)に憧れており、それが姉弟の関係にも影響する。家族のあり方を問い直す岡田にとって、どんな家族にも溶け込む有村は理想的なミューズなのかもしれない。

中園ミホ・決め台詞とキャラの相乗効果

七人の秘書
『七人の秘書』(c)テレビ朝日

 木村文乃が主演を務め、広瀬アリス、菜々緒、シム・ウンギョン、大島優子、室井滋が影の秘書軍団として活躍する『七人の秘書』では、『ドクターX ~外科医・大門未知子~』(テレビ朝日系)のゴールデンコンビ、プロデューサーの内山聖子と脚本の中園ミホが再びタッグを組む。中園は13年ぶりの続編となった『ハケンの品格』(日本テレビ系)に続いて連続ドラマの脚本を手がける。

 中園の武器といえばキレの良いセリフだ。『ドクターX』の「私、失敗しないので」は有名だが、『七人の秘書』では「名乗るほどの者ではございません」の決めゼリフが明かされている。作品の随所に登場する刺さるセリフと言葉の応酬に注目だ。また、中園の作品には、女性が共感できるキャラクターが多く登場する。再放送で注目を集めた『やまとなでしこ』(フジテレビ系)の桜子(松嶋菜々子)や『花子とアン』(NHK総合)の蓮子(仲間由紀恵)には、等身大の女性の心情が反映されていた。これには、関係者への取材を重ねる執筆スタイルや占い師としての経験も寄与していると思われる。

 人物造形と言葉の相乗効果によって、中園は『ドクターX』の大門未知子(米倉涼子)や『ハケンの品格』の大前春子(篠原涼子)など「当たり役」のキャラクターを生み出してきた。個性の異なる秘書たちが要人を支え、時には操りながら世の理不尽に立ち向かう『七人の秘書』は、「女性活躍」が叫ばれる時代にあって、女性の本音が炸裂する痛快な作品となるに違いない。

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