岡田惠和が明かす、山田涼介がセミであることの意味 「『セミオトコ』は面白さ勝負の作品」

岡田惠和が明かす、山田涼介がセミであることの意味 「『セミオトコ』は面白さ勝負の作品」

 金曜ナイトドラマ(テレビ朝日系、金曜23時15分~)で放送されている『セミオトコ』は、大川由香(木南晴夏)の元にやってきたセミが変身した少年・セミオ(山田涼介)との7日間を描いたドラマだ。

 優しい美少年のセミオがまたたく間に人気モノとなっていき、由香たちの周囲を明るくしていく中、楽しい日々は終わりが近づいていく……。

 今回、リアルサウンド映画部では『セミオトコ』の脚本を担当した岡田惠和にインタビュー。連続テレビ小説『ひよっこ』(NHK総合)など、数々の名作を世に送り出してきた岡田が久しぶりにテレ朝で手掛けた『セミオトコ』は、90年代に同局の月曜ドラマ・インで執筆した『南くんの恋人』や『イグアナの娘』といった作品を思わせるファンタジーテイスト溢れるドラマである。

 なぜ、岡田は『セミオトコ』のようなファンタジーを描き続けるのか?

ーー現在、第3話まで物語が進んでいますが(編集部注:取材は8月13日に実施)、脚本はもう書き終わりましたか?

岡田惠和(以下、岡田):今、ラストスパートですね。

ーーテレビ朝日で連続ドラマを書かれるのは、久しぶりだったそうですが?

岡田:月曜ドラマ・イン以来ですね。ずっと、テレ朝さんと仕事をしたいと思っていたのですが、9時台だと呼ばれることがなくて。まぁ、呼びようがないと思うんですけど(笑)。

ーーほとんどの作品が刑事ドラマですからね。

岡田:だから、金曜ナイトドラマで書けたことはとても嬉しいです。

ーー企画の発端は、セミですか? それとも山田涼介さんが主演を務めるなら「セミの話で行こう」という感じだったのですか?

岡田:山田くんと仕事してみたいという気持ちがあって、企画を考える時に同時に思いついたという感じですかね。引き受けてもらえるかは、0か100だと思いました。「セミを演じるなんてありえない」と断られるか「面白い」と思って引き受けてもらえるか。共演相手が誰だったらやるとか、こういうセミならOKとか、そういうことじゃないだろうから。そういう中で、ジャニーズ事務所さんが企画を面白がってくれて。

ーータイトルを見た時は驚きました。文字だけ見るとホラーみたいですし。

岡田:金曜ナイトドラマでオリジナル作品を書くということになり、どこかトリッキーな設定が欲しかったんです。ただ、月曜ドラマ・インの時からそういう作品は書いてきたので、そこまで変な企画を出したという気持ちはありません。

ーー最初は『泣くな、はらちゃん』(日本テレビ系)みたいな方向性の作品になるのかなぁと思いました。

岡田:『泣くな、はらちゃん』や『ド根性ガエル』(日本テレビ系)の時は映像の仕掛けが命だったんですよ。対して今回は演劇的で。

ーーシットコム(シチュエーションコメディ)みたいな作品ですよね。

岡田:「セミなんです」と、口で言ってるだけなので。 そういう設定のファンタジーで、一幕モノの舞台劇に近いと思います。

ーー7月に公開された映画『いちごの唄』の主人公も冷凍食品の工場で働いていましたが、岡田さんはずっと、物語の中で工場を書かれていますね。

『いちごの唄』(c)2019「いちごの唄」製作委員会

岡田:人が働いている職場として描きやすいというのがあるんですよ。逆に言うと、自分にはサラリーマン体験がないので、例えばWebデザインの会社がどんな場所か想像できなくて。テレビ局でも、ドラマ制作の人が何をしているのかはわかるんですけど、人事の人が365日、何をしているのかは想像もできない。そういう個人的な経験もあって、仕事を肉体的に書けるので好きなんです。ただ、食品工場を舞台にすると結構不自由もあるんですよ。帽子とマスクで芝居してもらわなければいけなかったり。

ーー映画やドラマに工場が出てくると、消費社会や格差社会の暗部みたいに描かれがちですが、岡田さんはそういう風には描かないですね。

岡田:こういうファンタジックなドラマは子供たちが見るから、キッザニア的に楽しいように見えて欲しいというのはありますね。子供は工場が好きじゃないですか。僕も小学校の時に工場見学に体験授業で行くと、キャラメルを作っているところを見て、凄いなぁって思ったし。そういう工場の楽しい場面って、ドラマではなかなか取り上げられないので。『セミオトコ』は、自分が好きなアパートモノと工場モノを合体させた作品なので、楽しいですね。舞台に設定した国分寺という街も自分の中ですごくしっくりくるんですよ。『最後から二番目の恋』(フジテレビ系)の舞台になった鎌倉ともちょっと違う、程よい郊外という感じが、すごく好きですね。

ーー最初にアニメで始まるのは、岡田さんの指定ですか?

岡田:打ち合わせを進めていくと、セミというだけで「見たくありません」って人が結構いることがわかってきました。「セミ無理」という理由で見ない人もいるんじゃないかと思って。そういう風に嫌われているセミが不憫で切ないんですけど、逆に愛しい感じもあるんですよね。

ーー第3話には、セミに対する愛がにじみ出ていますね(笑)。

岡田:ただまぁ、実際に地中から出てくるところを写真の絵本で見ると、これはちょっと放送しちゃいかんなって(笑)。だから早い段階でアニメとか絵本みたいにしようと話して、「山田くんは好きだけど、セミは嫌い」という人を遠ざけないようにしました。

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