園子温が語る、コロナ禍での映画製作と作品に及ぼす影響 「人に優しい映画を撮りたい」

園子温が語る、コロナ禍での映画製作

「人に優しい映画を撮りたい」

ーーほかの作品との違いを出そうという意識はありましたか?

園:それはないですね。ほかの監督の方々がどんな作品を作るのかは、皆目見当もつかなかったので。とはいえ、コロナウイルスというテーマ、緊急事態宣言というテーマに、自分は真っ直ぐ向き合おうとは考えていました。ちょっとだけコロナウイルスというモチーフを取り入れて、あとは自分のやりたいことだけやるような映画じゃなくて、完全にコロナウイルスをメインテーマに据えた作品で、みんなに語りかけたかったんです。

ーー園監督のこれまでの作品との変化は感じますか?

園:それもないですね。本当に題材がコロナウイルスということだけ。ただ最近は、自分の年齢のせいもあるのか、人に優しい映画を撮りたいと思っています。今回の作品はそういう自分の素の状態が反映されているから、自然に書けた作品ですね。バイオレンスが僕の十八番だと思っている人が多いんですが、そういうことを言われる度に、「いや、そうでもないんだけどな」と思っています。

ーーもしかしたら、園監督のファンとしては意外に思われるかもしれないですね。

園:これからの作品は、より優しくなってくると思います。自粛期間も長くて、やることもないから、今はシナリオがどんどん出来ているんですよ。本作を作り終えた今も、コロナウイルスはまだ過渡期ですし、今後、いろんなメッセージを僕からも投げかけていきたいです。

■配信情報
『緊急事態宣言』
Amazon Prime Videoにて独占配信中
(c)2020 Transformer, Inc.
Amazon Prime Video:www.amazon.co.jp/primevideo
公式Twitter:@KINKYU_JITAI

『孤独な19時』
監督:園子温
出演:斎藤工、田口主将、中條サエ子、関幸治、輝有子、鈴木ふみ奈

『デリバリー2020』
監督:中野量太
出演:渡辺真起子、岸井ゆきの、青木柚

『DEEPMURO』
監督:非同期テック部(ムロツヨシ+真鍋大度+上田誠)
出演:ムロツヨシ、柴咲コウ、きたろう、阿佐ヶ谷姉妹

『MAYDAY』
監督:真利子哲也
出演:各国の人々(日本パート:岩瀬亮、内田慈)

『ボトルメール』
監督:三木聡
出演:夏帆、ふせえり、松浦祐也、長野克弘、麻生久美子

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