岸井ゆきの、“二番手ポジション”で実力を発揮 『わたどう』椿と復縁はあるのか?

岸井ゆきの、“二番手ポジション”で実力発揮

 七桜(浜辺美波)が「さくら」であることが椿(横浜流星)にもついにバレてしまった『私たちはどうかしている』(日本テレビ系)第6話。2人があまりに悲しい形で離れ離れになってしまい、気が付けば3年が経っていた。七桜が去った光月庵に入れ替わりで入ってきたのが椿の元婚約者である栞(岸井ゆきの)だった。

 岸井ゆきのといえば、映画『愛がなんだ』で友達以上恋人未満といえば聞こえはいいが、つまりは“都合の良い女”テルコ役を演じ、ドラマ『ルパンの娘』(フジテレビ系)でも和馬(瀬戸康史)の婚約者として最終話で結婚自体なくなるという“二番手ポジション”を演じることが少なくなかったが、その役どころは本作でも遺憾なく発揮されている。

 挙式当日に七桜が現れ結婚が破談になるも、その心の中にはずっと椿の存在が住み続けていたようだ。そもそも実は栞が椿と出会ったのは、お見合いが初めてではなかったらしく、過去の絵付けの展示会にまで遡る。自身の作品を出品していた栞の元へ初めての客としてやって来たのが椿。作品に興味を持ち、自分の話に耳を傾け気に入って購入してくれたのが栞にとって自信に繋がったのだという。

 また、赤い着物をよく着る理由を椿に聞かれた栞は「目立つから。私には美人で愛嬌の良い姉が2人いて、それに比べて私はどうしようもなく地味で。赤を着れば私のことも見てくれるかなって」と話す。両親からの注目を集めたい、自分の存在にも気づいてほしいという幼少期からの栞の切なる思いが、椿にとっては大旦那から褒められたい一心で和菓子を作り続けてきた、それでも認められずに報われなかった自身の姿と重なるのだろう。だから、栞にとって椿は自分が欲しい言葉をくれる存在なのだ。また、椿としてもその痛みがわかるからこそ、健気な彼女の新たな挑戦や一歩を背中押ししてしまいたくなってしまうのだろう。互いに、代々続く由緒正しい家系に生まれながらも肩身の狭い思いをしてきた者同士、分かり合えてしまうところもあるのかもしれない。

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