『アンナチュラル』から『MIU404』へと続く“ピタゴラ装置” ゼロ地点から未来へ向けて

『MIU404』大きなピタゴラ装置に

 ドラマでは今の日本にあるたくさんの「障害物」が描かれていて、その多さに疲れ、桔梗(麻生久美子)といっしょに「人の努力をなんだと思ってんの!」と愚痴りたくもなるけれど、それでも日本が好きだと、海に飛び降りて濡れた服の代わりに着たTシャツの文字で示すのも、ステキな道の進み方だった。

 ピタゴラ装置はゴールまできたらおしまい。バッドエンドへの分岐を回避した『MIU404』もこれでゴールと思ったら、桔梗が隊長を辞めて赴任した先は西武蔵野署。毛利と向島の上司となり、きっと彼らを通してUDIラボのみんなと仕事をすることになる。桔梗さんはミコトや東海林(市川実日子)たちと知り合ったら、いい飲み仲間になりそう。

 『アンナチュラル』のエンディングでいつも出ていた文字のように、物語はTo be continued。もしかしたらUDIラボとMIU、どちらのビー玉も止まらずに、ゼロ地点から未来へ向けて、2020年の日本をまだ走っているのかもしれない。

■渡辺裕子(わたなべひろこ)
TVドラマ好きイラストレーター。「月刊ローチケHMV」などで、コラム連載中。Twitter

■作品情報
金曜ドラマ『MIU404』
出演:綾野剛、星野源、岡田健史、橋本じゅん、渡邊圭祐、金井勇太、生瀬勝久、麻生久美子
脚本:野木亜紀子
演出:塚原あゆ子、竹村謙太郎、加藤尚樹
プロデュース:新井順子
音楽:得田真裕
製作:TBSスパークル、TBS
(c)TBS
公式サイト:https://www.tbs.co.jp/MIU404_TBS/

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