伊藤健太郎、2020年は出演作相次ぐ大活躍 『今日俺』『弱虫ペダル』など青春映画で愛されるワケ

伊藤健太郎が青春映画で愛されるワケ

 また、ここ7月〜8月公開の伊藤の出演映画を振り返ってみると、実はいずれも高校生役というのも興味深い。伊藤といえば、これまでも『惡の華』や前述の『ういらぶ』など高校生役での活躍が目立ってきた印象だ。

「主演もできるし、脇でも映えるというのが伊藤さんの魅力の一つだと思います。周りの役者さんとのバランスの取り方がすごく上手いんです。高校生役で重宝されるのは、それが理由の一つではないでしょうか。複数の登場人物の関係を描く学園映画では、ほかのキャストとの共演・かけ合いが非常に大事になります。『先生!、、、好きになってもいいですか?』の藤岡勇輔役では、ライバル格として生田斗真さん演じる先生とは対照的なキャラクターで、広瀬すずさん演じるヒロインの感情を揺らがせる手強そうな感じでした。それでも強い主張もせずにメインキャストをしっかりと立てる、そのあんばいが作品を大きく左右していましたね。

『弱虫ペダル』(c)2020「弱虫ペダル」製作委員会 (c)渡辺航(秋田書店)2008

 『弱虫ペダル』の今泉役も、主人公・坂道にとって当初はライバルの立ち位置から仲間になっていくというキャラクターです。そこでも伊藤さんは、主演の永瀬廉さんを見事に引き立てています。それに橋本環奈さんとの共演でも『今日俺』とは全然違うかけ合いを見せていますし(笑)。主人公やヒロイン役の魅力をより引き出してくれる俳優だからこそ、今の学園映画には必要不可欠な存在と言えるかもしれません。役作りも非常に丁寧な方なので、ナチュラルさが求められる、最近の学園青春モノとの相性も良いのだと思います」

 作品の魅力も、共演者の魅力も倍増させる、稀有な役者・伊藤健太郎。今後は主役での演技にも期待が高まる。

「振り返ってみると、人気とは裏腹に、意外と主演作は多くはありません。周りを活かしながら、かつ自分のキャラクターも出せる華のある役者なので、今後は、主演としても魅力的な演技が観られるのではないでしょうか。個人的には、ハードボイルドなアクションなどを観てみたいです」

 伊藤健太郎の活躍はまだまだ続きそうな予感だ。

■公開情報
『今日から俺は!!劇場版』
全国公開中
出演:賀来賢人、伊藤健太郎、清野菜名、橋本環奈、仲野太賀、矢本悠馬、若月佑美、柳楽優弥、山本舞香、泉澤祐希、栄信、柾木玲弥、シソンヌ(じろう・長谷川忍)、猪塚健太、愛原実花、鈴木伸之、磯村勇斗、ムロツヨシ、瀬奈じゅん、佐藤二朗、吉田鋼太郎
原作:『今日から俺は!!』西森博之(小学館『少年サンデーコミックス』刊)
脚本・監督:福田雄一
配給:東宝
(c)西森博之/小学館 (c)2020「今日から俺は!!劇場版」製作委員会
公式サイト:https://www.ntv.co.jp/kyoukaraoreha/

『弱虫ペダル』
全国公開中
原作:渡辺航『弱虫ペダル』(秋田書店『週刊少年チャンピオン』連載)
出演:永瀬廉(King & Prince)、伊藤健太郎、橋本環奈、坂東龍汰、竜星涼、柳俊太郎、菅原健、井上瑞稀(HiHi Jets/ジャニーズJr.)、皆川猿時
監督:三木康一郎
配給:松竹
製作:「弱虫ペダル」製作委員会
(c)2020「弱虫ペダル」製作委員会 (c)渡辺航(秋田書店)2008
公式サイト:https://movies.shochiku.co.jp/yowapeda-eiga/
公式Twitter:@yowapeda_eiga
公式Instagram:@yowapeda_eiga

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