藤堂先生の結婚と喜多一の閉店 『エール』故郷・福島の人々の変化
浩二を冷たくあしらう養蚕農家・畠山
第11週では、「喜多一」が閉店した後、役場に勤め、地元・福島のために奮闘する浩二(佐久本宝)の姿が描かれる。浩二は養蚕農家を訪れ、桑畑をリンゴを育てる果樹園にしないかと説得する。マキタスポーツは長年養蚕業を営んできた昔気質な農家を好演している。
本人の口から「代々養蚕業を続けてきた」と言われても違和感のないぐらい、役にハマっているマキタスポーツ。SNS上では「エキストラの地元のプロ農家だと思ったら、マキタスポーツさんだった」「『昼めし旅』(テレビ東京系)かと思うほどの『しっくり感』」などの声もあがるほどだ。
畠山は浩二を冷たくあしらうが、浩二が置いていった資料を足蹴にするようなことはしなかった。次週での浩二と畠山のやりとりも注目してほしい。
今週おすすめしたいシーンは、音が双浦環(柴咲コウ)と向き合い、夢に向かって前向きな言葉を残すシーン。退学することになった音に環は「ほとんどの人が、茨の道ではなく平穏な幸せを選ぶ。あなたもその道を選んだ。それだけのことよ」と口にしたとき、音は彼女の目をまっすぐ見つめて「私は歌手になる夢を諦めたつもりはありません」と告げた。「夢も心も、夫婦二人で育てていきます」と話す音は、母と歌手になる決意を感じさせる、柔らかくも芯の強い表情をしている。
■片山香帆
1991年生まれ。東京都在住のライター兼絵描き。映画含む芸術が死ぬほど好き。大学時代は演劇に明け暮れていた。
■放送情報
連続テレビ小説『エール』
2020年3月30日(月)〜9月26日(土)予定
※6月29日より第1回から再放送中
総合:午前8:00〜8:15、(再放送)12:45〜13:00
BSプレミアム・BS4K:7:30〜7:45、(再放送)11:00〜11:15
※土曜は1週間を振り返り
出演:窪田正孝、二階堂ふみ、薬師丸ひろ子、菊池桃子、光石研、中村蒼、山崎育三郎、森山直太朗、佐久本宝、松井玲奈、森七菜、柴咲コウ、風間杜夫、唐沢寿明ほか
制作統括:土屋勝裕
プロデューサー:小西千栄子、小林泰子、土居美希
演出:吉田照幸、松園武大ほか
写真提供=NHK
公式サイト:https://www.nhk.or.jp/yell/