松本穂香、今年は大躍進の1年に? 『竜の道』“妹&ヒロイン役”に主演映画も続々公開

松本穂香、今年は大躍進の1年に?

『竜の道 二つの顔の復讐者』(c)カンテレ

 先週の第3話では教え子のSNSトラブルについて相談するために和田のオフィスを訪れた美佐。もちろん彼女は和田が竜一であるとは気付いておらず、そこで2人は竜二について語り合う。目の前に妹がいるのに真実を言えない竜一の葛藤がにじむこの場面はなかなかにエモーショナルであり、美佐という存在そのものが主人公たちの復讐劇を感情的な面で揺れ動かすことになるのだとわかる。“妹役”でありながらも“ヒロイン役”である、この難解な立ち位置を今後の松本どのように表現していくのかは大いに期待したいところだ。

『君が世界のはじまり』(c)2020『君が世界のはじまり』製作委員会

 もちろんその活躍の場はドラマだけにとどまらない。現在公開中の主演映画『君が世界のはじまり』を含め、4本の出演映画が立て続けに公開。そのうち3作品が主演作だ。『おいしい家族』につづいてふくだももこ監督とタッグを組んだ『君が世界のはじまり』では、退屈さと孤独を持て余す高校生を演じ、8月28日から公開される吉沢亮と杉咲花ダブル主演の『青くて痛くて脆い』では主人公たちが創ったサークルの幽霊部員を演じる。そしてなんといっても注目は、秋に公開が控えている2作品。どちらも2021年以降の松本のキャリアを決定付ける重要な作品になりそうな予感がただよっている。

『みをつくし料理帖』(c)2020映画「みをつくし料理帖」製作委員会

 角川春樹がメガホンを取る『みをつくし料理帖』では、羅列するときりがないほど豪華なキャスト陣のなかで堂々と主演を張り、過酷な運命の中で自分の道を切り開く料理人を演じる。予告編などを観た印象では、時代劇への適性も充分に感じられる。また11月に公開されるアニメ映画『君は彼方』では、交通事故で不思議な世界へと迷い込む少女役で、昨年の『きみと、波にのれたら』につづく声優挑戦にして初のアニメ主演。4月から自身がパーソナリティを務めるラジオ番組もスタートしており、声の仕事が新たな可能性を拡げることになるのかもしれない。

 偶然にも、この両作品で松本は“澪”という役名が与えられている。現時点で松本の代表作のひとつに数えられる昨年の主演作『わたしは光をにぎっている』でも“澪”役だったことを考えると、なんだか偶然以上の何かを感じてしまう。調べてみると“澪”という字には「水の流れでできた水路」や「船が航行した跡」があるようで“mio”という音はイタリア語で「my(私の)」の意味を持つという。これらの作品は松本の女優としての確固たる道筋を刻むものとなり、揺るがない代表作にもなりうるのだと示しているかのようだ。

■久保田和馬
1989年生まれ。映画ライター/評論・研究。好きな映画監督はアラン・レネ、ロベール・ブレッソンなど。Twitter

■放送情報
『竜の道 二つの顔の復讐者』
カンテレ・フジテレビ系にて、毎週火曜21:00〜放送
出演:玉木宏、高橋一生、松本穂香、細田善彦、奈緒、今野浩喜、渡辺邦斗、 落合モトキ、西郷輝彦(特別出演)、松本まりか、斉藤由貴、遠藤憲一ほか
原作:白川道 『竜の道』 (幻冬舎文庫)
脚本:篠崎絵里子(「崎」は「たつさき」が正式表記)、守口悠介
音楽:村松崇継
主題歌:SEKAI NO OWARI 「umbrella」(ユニバーサル ミュージック)
オープニング曲:ビッケブランカ 「ミラージュ」(avex trax)
プロデュース:米田孝、水野綾子
演出:城宝秀則、岩田和行、紙谷楓、吉田使憲
制作:カンテレ、共同テレビ
(c)カンテレ
公式サイト:https://www.ktv.jp/ryu-no-michi/
公式Twitter:https://twitter.com/ryunomichi_ktv

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