今田美桜を堪能できる日曜日 社会人の『半沢直樹』、大学生の『親バカ青春白書』で見せる魅力

今田美桜を堪能できる日曜日

 前作の最終回で驚異の視聴率42.2%を叩き出し、7年ぶりに帰ってきた『半沢直樹』(TBS系)が放送開始してから3週間。毎度のことながら香川照之、市川猿之助ら歌舞伎俳優や、堺雅人、古田新太といったベテラン俳優勢が息もつけぬ戦いを繰り広げているからか、すでに何本もの長編映画を観たような気分だ。見渡す限り男、男、男……女性は数えるほどしかいない。そんな男性社会の本作で、今田美桜演じる「東京セントラル証券」の若手社員・浜松瞳がメインキャラクターとして活躍している。

 今田美桜は『半沢直樹』のメインキャストの中では一番の若手。雑誌『With』(講談社)のインタビューにて、以前「あくまでも私は“俳優部”という部署に属する一人、という感覚。仕事の内容は違うけれどサラリーマンやOLの方と同じというか」(引用:女優・今田美桜さんの魅力に迫るインタビュー!「私らしく、無理なく」)と女優業について語っているが、その観点からすれば、彼女はさしずめ“半沢直樹エージェント”のフレッシャーズか。

『半沢直樹』(c)TBS

 彼女はパッと華やぐ存在感や真っ直ぐな演技が特徴的で、これまでも若くて明るい女性の役を演じることが多かった。“福岡で1番可愛い女の子”をキャッチフレーズにフィーチャーされた彼女は、『僕たちがやりました』(カンテレ・フジテレビ系)で永野芽郁演じるヒロインの友人役を務めた際にもその美貌が話題になったが、特に印象的だった作品はフジテレビ系で2クール連続出演となった『民衆の敵~世の中、おかしくないですか!?~』。今田は高橋一生演じる政治家の藤堂誠が素性を隠して指名しているデリヘル嬢・莉子役に。日々政界で揉まれている藤堂の“唯一の癒し”として、彼が抱える心の傷を優しく包み込む風俗嬢を好演。藤堂が政治家であることを知りながら最後までプロの仕事を貫き、いつもの笑顔で別れるシーンは視聴者の誰もが心を打たれた。

 今田は莉子役同様に、本当の気持ちを押し殺して周囲に明るく振る舞う役がよく似合う。『3年A組 ―今から皆さんは、人質です―』(日本テレビ系)で演じたクラスでリーダー的存在の高校生・諏訪唯月役では、虚勢を張りながらも気高く生きることを柊先生(菅田将暉)から肯定され、思わず号泣するシーンが見ものだった。

 代表作『花のち晴れ~花男 Next Season~』(TBS系)の演技も忘れがたい。同名コミックを実写化した真矢愛莉のビジュアルが解禁された時には、まるで漫画の中からそのまま出てきたような完成度の高さが評判を呼び、一躍ブレイクを果たした。愛莉は前作の道明寺司ポジションにあたる神楽木晴(平野紫耀)に執着する生粋のお嬢様――つまりヒロインのライバルではあるが、神楽木に好かれるために努力して美貌を手に入れた女子力の高さが同年代の視聴者から支持され、ツインテールにリボンを編み込む「愛莉ヘア」を再現する女子も続出したという。

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