『未満警察』クライマックスに向けて加速! 中島健人×平野紫耀は警察内部の闇に立ち向かえるか
9年前に起きた連続殺人事件で逮捕され、死刑が確定した父親の無実を証明するため、快(中島健人)と次郎(平野紫耀)、そして助教の及川(吉瀬美智子)を人質にして警察学校の教室に立てこもった直子(長谷川京子)と弟の智也(柿澤勇人)。先週のエピソードの続きが描かれた8月8日放送の『未満警察 ミッドナイトランナー』(日本テレビ系)第7話。この“スコップ男”の事件をめぐる大きな闇は、やはりこのドラマの終盤の最大のテーマとなるのであろう。このエピソードでは完全なる解決を迎えることにはならず、なんとも歯痒いもやもやと、さらなる謎を残す結末を迎えることになった。
真実を明らかにするために片野坂(伊勢谷友介)のプロファイリングが必要だと考えた快は、人質解放として教室の外に出た次郎にメッセージを託す。そして片野坂は、国枝(木下ほうか)が率いる捜査本部で狙撃命令が発令されたタイミングで、教室に囚われているSAT隊員に代わって自分が人質となることを申し出る。その一方で次郎は、直子たちがこの日会う予定だったムラタミキという人物に会いに行く。直子たちの母が殺された2件目の事件が発生したまさにその日に、彼女と天満暁生(佐戸井けん太)が一緒にいた証拠の写真を手に入れた次郎。しかしその帰り道で、謎の男たちに囲まれてしまうのである。
「表に見えるものだけが真実じゃない。人が必要以上に何かに必死になる時。大抵その裏には隠されたもうひとつの真実がある」。9年前の事件で捜査本部の判断に意見したことがきっかけで、警察学校の教官へと“飛ばされた”過去を持つ片野坂。彼は公表されていない事件の疑問点を提示しながら、快にこう告げる。「考えろ。考えて自分で答えを出せ。たとえそれが最悪な答えでも」。現場にはもう戻らないと呟く片野坂は、自分にとって大きな転機となった事件と現場の刑事が忘れてはならない“正義”を、いずれ現場に出ることになる快に託すというわけだ。これまでのエピソードで、ルールを逸脱しながらも“正義”を捨てずに突っ走ってきた快と次郎を擁護しつづけてきた理由がここでハッキリしたといえよう。
そして快が見出した“最悪の答え”とは、警察内部に真犯人がいるということ。時同じくして9年越しに発生した新たな事件の証拠品を見つけた柳田(原田泰造)だったが、指紋の鑑定から模倣犯であることが判明。事件はふりだしへと戻り、さらには収監されている暁生が危篤状態に陥ったとの連絡が入り、あっけない形でこの立てこもりは終結することになる。それでも何も解決には至らずに、快と次郎の“グーとパー”もお預け。第5話のラストでもあった、このなんともいえないもやもやとした空気。たとえすべての真実が明らかになったところで、犯罪からは何も生まれないのだという極めて根源的な部分にこのドラマは触れようとしているのかもしれない。