日本を制す次の韓流スターは? 『愛の不時着』『梨泰院クラス』『サイコだけど大丈夫』から探る

2020年の新たな韓流スターは?

 現在Netflixで配信中の『愛の不時着』、『梨泰院クラス』の一大ヒットをきっかけに、最新ドラマ『サイコだけど大丈夫』も注目を浴び、日本で新たなブームが起きている韓国ドラマ。そもそも韓国ドラマが初めて大注目を浴びるようになったのは、2004年頃に巻き起こった『冬のソナタ』のヨン様ことペ・ヨンジュンの大ブームから。ヨン様と共に他のイケメン俳優にもスポットが当たり、イ・ビョンホン、チャン・ドンゴン、ウォンビンといった“韓流四天王”と呼ばれる俳優たちへの人気が沸騰した。

 この頃の韓国ドラマと言えば、“純愛”、“初恋”をテーマとした哀愁を感じさせるストーリーを軸に、どこまでもヒロインを一途に愛す主人公と、健気でどこかか弱いヒロインの印象が強い。記憶喪失や出生の秘密など日本ドラマにはなかなかない設定が、斬新でドラマチックだった。

 続いて2009年〜2012年ごろ、東方神起、BIGBANG、少女時代、KARAなどK-POPアイドルたちの人気に火がつき、アジアのプリンス、チャン・グンソク主演の『美男ですね』のヒットも相まって第二次韓流ブームへ。この頃は、“男装女子”や“ツンデレ男子”などが大流行し、韓国ドラマは、涙が止まらない純愛ものから、笑いや胸キュンが散りばめられた明るいイメージへと姿を変えた。

 “ツン”としてヒロインに冷たくしていた男性が、恋をして心を開き、“デレ”になるその姿に萌えたファンが多かった、“ツンデレ男子”主流の第二次韓流ブーム。そして現在、話題を集めている主流の韓ドラでは、男性像もまた多様な形で変化を遂げている。そんな新たな男性像を示した、今回の韓流ブームの立役者たちから、新しいスターを探っていきたい。

ヒョンビンが『愛の不時着』で見せた、完全なる理想の男性像

 『愛の不時着』で3度目のブレイクを迎えているヒョンビン。最初のブレイクとなった韓国で驚異の視聴率50.5%を叩き出した伝説のラブコメ『私の名前はキム・サンスン』では、名女優キム・ソナが演じるアラサーポッチャリ女子に対し、ツンとしていたかと思えば、彼女にしか見せない究極のデレを見せ、ギャップ満載の演技で魅了した。

 続く2010年のドラマ『シークレット・ガーデン』で2度目の大ブレイクを迎え、デパートのCEOを務める俺様キャラの御曹司が、ヒロインの魂と入れ替わるストーリーの中で、仕草だけでなく言葉遣いや目線に至るまで女性らしさ、可愛らしさを爆発させた。

 そんな“ツンデレの神”ヒョンビンが『愛の不時着』で演じたのは、クールなポーカーフェースを保ちながらも、時にはやきもちを焼き、可愛く拗ねたりもする北朝鮮の将校リ・ジョンヒョク。ツンどころか深い愛情を隠そうともせず、ヒロインを誠実に愛する。命をかけて守ってくれる男でありながら、どこか母性本能をくすぐり、愛着が湧くジョンヒョクは、現代の理想の男性像との声も大きい。

 ツンデレのギャップではなく、涙が出るくらいの一途な愛でヒロインを包み込むその姿が私たちを夢中にさせ、何度もヒョンビン演じるジョンヒョクに逢いに行ってしまう。どの時代でも理想の男性像を誕生させ、本作でまた新たな形を示したヒョンビンと『愛の不時着』が残したものは非常に大きい。

関連記事

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「アクター分析」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる