日本を制す次の韓流スターは? 『愛の不時着』『梨泰院クラス』『サイコだけど大丈夫』から探る

2020年の新たな韓流スターは?

韓国中が愛した純朴ストレート男 『椿の花咲く頃』カン・ハヌル

 一方で、2019年に高い視聴率を叩き出し、韓国中で熱狂的に愛された、”韓国ドラマ史に残る名作”と謳われているのがNetflixで配信中の『椿の花咲く頃』だ。

 韓国のゴールデングローブ賞と呼ばれる百想芸術大賞で、『愛の不時着』や『梨泰院クラス』といった世界で愛された強豪を抑え、大賞を含む4冠を達成した作品である。また、ヒョンビンやパク・ソジュンら大俳優が並び、歴代最も大激戦と言われた最優秀男性演技賞を受賞したのが、若き俳優カン・ハヌルだ。

 デビュー後初の主演を務めた本作では、純朴でストレートな青年ヨンシクを演じた。田舎臭く猪突猛進なヨンシクに、序盤は暑苦しさを感じるほどなのだが、観ているうちにそのまっすぐさに中毒のように惹かれてしまう。大声で愛を叫ぶ一方で、どこかセクシーな魅力を放つその姿は、韓国で“純朴セクシー”などと造語が出来たほど。劇中でカン・ハヌルが発した方言まじりの名台詞の数々は、“応援語録”と呼ばれ多くの視聴者に慰めを与えた。

 やかましいくらいのヨンシクのポジティブさが、自己肯定感を高めてくれる。素敵なヒーローではなく、平凡であっても人は誰かの奇跡になりうることを教えてくれた。日本では未だ注目度が低いが、実は本作こそ、往年の韓国ドラマファンがこぞっておすすめNo.1に挙げる、実に韓国ドラマらしい暖かい作品である。

 今話題のドラマで活躍する俳優たちだけでなく、魅力的な俳優がまだまだ存在する韓国エンタメ界の底力は計り知れない。掘れば掘るほど素晴らしい作品、そして良い俳優を発見してしまう。日本でも流行が巻き起こし、スポットライトが当たっている今、それぞれのドラマを通して俳優たちの魅力を堪能してほしい。

■Nana
韓国系のドラマ専門フリーライター。ドラマレビューサイト運営、「k-bord」にて執筆。Twitter

■配信情報
『愛の不時着』
Netflixにて配信中
出演:ヒョンビン、ソン・イェジン、ソ・ジヘ ほか
原作・制作:イ・ジョンヒョ、パク・ジウン

『梨泰院クラス』
Netflixにて配信中
出演:パク・ソジュン、キム・ダミ、ユ・ジェミョン ほか
原作・制作:キム・ソンユン、チョ・ガンジン

『サイコだけど大丈夫』
Netflixにて配信中
出演:ソ・イェジ、キム・スヒョン ほか
写真はtvN公式サイトより

『椿の花咲く頃』
Netflixにて配信中
出演:コン・ヒョジン、カン・ハヌル ほか

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