「シッチェス映画祭 2020」10月開催決定 ロブ・ゾンビ監督『スリー・フロム・ヘル』など全6作

 特集上映「シッチェス映画祭ファンタスティック・セレクション 2020」が10月30日よりヒューマントラストシネマ渋谷ほかにて開催されることが決定し、上映作品が発表された。

 1968年に創設された「シッチェス映画祭」は、スペイン・バルセロナ近郊の海辺のリゾート地シッチェスで毎年10月に開催されている映画祭。SF、ホラー、サスペンスなどのジャンル映画に特化した「世界三大ファンタスティック映画祭」の1つであるとともに、国際映画製作者連盟(FIAPF)公認の国際映画祭だ。

 「シッチェス映画祭ファンタスティック・セレクション」は、シッチェス映画祭で上映された作品の中から厳選した作品を日本で上映する、シッチェス映画祭公認の映画祭。今年で7回目を迎え、東京:ヒューマントラストシネマ渋谷、名古屋:シネマスコーレ、大阪:シネ・リーブル梅田にて開催される。

 今年は全6作が本映画祭で上映される。『ハロウィン』のロブ・ゾンビ監督が手がけた、殺戮大好き一家による血塗れロードムービー『スリー・フロム・ヘル』、オカルトホラーにユダヤ教やホロコーストの歴史が絶妙に絡み合う異色作『ザ・ヴィジル~夜伽~』、恋人の父親に殺意を持つ青年と屈強な悪徳刑事と復讐心を秘めた娘の殺意が衝突するハイテンションなコメディスリラー『とっととくたばれ』、3人のサイコパスと人喰い犬の襲撃で何度も惨殺される夫婦のシュールなホラー『ココディ・ココダ』、四肢麻痺を抱える少女と凶暴化した愛犬による壮絶なサバイバルバトルを描く『VS狂犬』、ディストピアと化したトルコが舞台の悪夢的スリラー『恐怖ノ黒電波』がラインナップされた。

 また、映画ライターの高橋ヨシキが『スリー・フロム・ヘル』と『ザ・ヴィジル~夜伽~』に推薦文を寄稿。『スリー・フロム・ヘル』については、「ロブ・ゾンビは自分が好きな映画を作り続けている。“自分が好きな映画”にするために、まずやるべきことは自分が好きで好きで仕方のないあれこれを作品内に過剰なまでに取り入れることだ。殺人ファミリー、ファイアフライ一家サーガの完結編となる本作もそのように作られており、その結果、本作はロブ・ゾンビの脳内を直接プロジェクターにかけたかような、特異な映像体験をもたらすものとなった。そこはマンソン・ファミリーが、『女体拷問人グレタ』が、ミケーレ・ソアヴィの『アクエリアス』が、サンタ・ムエルテとナイフ片手に手を取り合って踊り狂い殺しまくる、どぎつくカラフルでどこまでも“アメリカン”な地獄世界なのである」と評論。

 『ザ・ヴィジル~夜伽~』については、「“超正統派”と呼ばれるユダヤ教の一派は、(よく言えば)ミステリスで奇妙な生活を送っている。アメリカの“超正統派”のほとんどは本作の舞台となっているニューヨークに集中しているが、彼らは外界と隔絶した状況でカルト的なコミュニティを形成している(“超正統派”を追った Netflix のドキュメンタリー『ワン・オブ・アス』は本作の良き副読本である)。『ザ・ヴィジル』の主人公は“外”の世界に対して怯えている。外界との関わりにおける個人的な、そして集団的な記憶が彼の恐怖の源泉なのだがーーだとしたら、実のところ、彼の“怯え”の構造は我々自身のそれとまったく同じではないだろうか? “恐怖”は外部からもたらされるのだ」とコメントしている。

 あわせて公開されたポスタービジュアルでは、個性あふれる全上映作品のポスターが並んでいる。

上映作品

『スリー・フロム・ヘル』
監督:ロブ・ゾンビ
出演:シェリ・ムーン・ゾンビ、ビル・モーズリー、リチャード・ブレイク、シド・ヘイグ、ダニー・トレホ
原題:3 From Hell/2019年/アメリカ/115分
(c)2020 Lions Gate Entertainment Inc. All Rights Reserved.

『ザ・ヴィジル~夜伽~』
監督:キース・トーマス
出演:デイヴ・デイヴィス、メナッシュ・ラスティグ、マルキー・ゴールドマン、リン・コーエン
原題:The Vigil/2019年/アメリカ/88分
(c)2019 The Vigil Movie, LLC. All RIGHTS RESERVED.

『とっととくたばれ』
監督:キリル・ソコロフ
出演:ヴィタリー・カエフ、アレクサンドル・クズネツォフ、エフゲーニヤ・クレッグツェ、ミハイル・グレヴォイ
原題:Why Don't You Just Die! (Papa, sdokhni)/2018年/ロシア/100分
(c)WHITE MIRROR FILM COMPANY 2018

『ココディ・ココダ』
監督:ヨハネス・ニーホルム
出演:ペーテル・ベッリ、レイフ・エードルンド・ヨハンソン、イルヴァ・ガロン、カタリーナ・ヤコブソン
2019年/スウェーデン=デンマーク/86分/原題:Koko-di Koko-da
(c)2019 JOHANNES NYHOLM PRODUKTION, ALL RIGHTS RESERVED

『VS狂犬』
監督:ホセ・ルイス・モンテシノス
出演:パウラ・デル・リオ、ミゲル・アンヘル・ジェネール、ジョルディ・アギラール
原題:Cuerdas (Ropes)/2019年/スペイン/87分
(c)SUBETE AL TREN 2019

『恐怖ノ黒電波』
監督:オルチュン・ベフラム
出演:イーサン・オナル、ギュル・アリヂ、レベント・ウンサル、ウシュル・ゼイネップ
原題:Bina (The Antenna)/2019年/トルコ/115分

『スリー・フロム・ヘル』
『スリー・フロム・ヘル』
『スリー・フロム・ヘル』
『ザ・ヴィジル~夜伽~』
『ザ・ヴィジル~夜伽~』
『ザ・ヴィジル~夜伽~』
『とっととくたばれ』
『とっととくたばれ』
『とっととくたばれ』
『ココディ・ココダ』
『ココディ・ココダ』
『ココディ・ココダ』
『VS 狂犬』
『VS 狂犬』
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『恐怖ノ黒電波』
『恐怖ノ黒電波』
『恐怖ノ黒電波』
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『スリー・フロム・ヘル』
『スリー・フロム・ヘル』
『スリー・フロム・ヘル』
『ザ・ヴィジル~夜伽~』
『ザ・ヴィジル~夜伽~』
『ザ・ヴィジル~夜伽~』
『とっととくたばれ』
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『ココディ・ココダ』
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『VS 狂犬』
『VS 狂犬』
『VS 狂犬』
『恐怖ノ黒電波』
『恐怖ノ黒電波』
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■開催概要
「シッチェス映画祭ファンタスティック・セレクション 2020」
ヒューマントラストシネマ渋谷にて、10月30日(金)~11月12日(木)開催
シネマスコーレにて、今秋開催
シネ・リーブル梅田にて、10月30日(金)~11月12日(木)開催
料金:当日一般1,600円/専門・大学生、シニア1,200円/高校生以下1,000円
配給・宣伝:ブラウニー
協力:松竹
公式サイト:https://www.shochiku.co.jp/sitgesfanta/
公式Facebook:https://www.facebook.com/sitgesfanta/
公式Twitter:https://twitter.com/sitges_fanta

 

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