唐沢寿明×薬師丸ひろ子、“親”として放つ輝き 『エール』極上の“コント回”に向けて

唐沢寿明×薬師丸ひろ子、親として放つ輝き

 唐沢とは対照的に主演映画『セーラー服と機関銃』で鮮烈な歌手デビューを飾り、一躍アイドル/女優としての階段を登っていった薬師丸ひろ子。『木更津キャッツアイ』(TBS系)、『タイガー&ドラゴン』(TBS系)、『あまちゃん』(NHK総合)、『いだてん~東京オリムピック噺~』(NHK総合)などの宮藤官九郎脚本作品でお馴染みの一方で、映画『ALWAYS 三丁目の夕日』シリーズや2005年のドラマ『1リットルの涙』(フジテレビ系)といった作品で演じた母親役では多くの賞を受賞している。近年では2018年のドラマ『アンナチュラル』(TBS系)で演じた、石原さとみ演じるミコトの母親役も記憶に新しい。

 唐沢と薬師丸に共通して言えることは、それぞれの息子、娘たちを見守る父母として、『エール』が近年でのキャリアを代表する役柄になっているということ。楽観的な父親でありながらも、裕一と浩二(佐久本宝)が進む道を応援し続けた三郎。安隆(光石研)亡き後に、三姉妹を一人で育て上げ、それぞれが見る夢へと後押ししていった光子と、2人の考え方は違っていても、根本の親としての生き方は通底しているように思える。

 第23話の古山家、関内家対面を機に、犬猿の仲からやがて和解していく三郎と光子。2人の共演シーンはこのコント回を含め数えるほどだが、徐々に変化する表情の機微からは親としてのシンパシーが感じられる。

■渡辺彰浩
1988年生まれ。ライター/編集。2017年1月より、リアルサウンド編集部を経て独立。パンが好き。Twitter

■放送情報
連続テレビ小説『エール』
2020年3月30日(月)〜9月26日(土)予定
※6月29日より第1回から再放送中
総合:午前8:00〜8:15、(再放送)12:45〜13:00
BSプレミアム・BS4K:7:30〜7:45、(再放送)11:00〜11:15
※土曜は1週間を振り返り
出演:窪田正孝、二階堂ふみ、薬師丸ひろ子、菊池桃子、光石研、中村蒼、山崎育三郎、森山直太朗、佐久本宝、松井玲奈、森七菜、柴咲コウ、風間杜夫、唐沢寿明ほか
制作統括:土屋勝裕
プロデューサー:小西千栄子、小林泰子、土居美希
演出:吉田照幸、松園武大ほか
写真提供=NHK
公式サイト:https://www.nhk.or.jp/yell/

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