唐沢寿明×薬師丸ひろ子、“親”として放つ輝き 『エール』極上の“コント回”に向けて

唐沢寿明×薬師丸ひろ子、“親”として放つ輝き 『エール』極上の“コント回”に向けて

 連続テレビ小説『エール』(NHK総合)の再放送は、第5週「愛の狂騒曲」に入った。今週、副音声を担当しているのは、ミュージックティーチャーこと御手洗(古川雄大)。「ミュージックティーチャーのレッスンルーム!」「トゥビーコンティニュード!」などなど、本放送より濃厚な御手洗ワールドが展開されている。

 第5週と言えば、裕一(窪田正孝)がはるばる、豊橋の音(二階堂ふみ)の元へと会いに行くパート。2人の思いが燃え上がるところに三郎(唐沢寿明)がやってきて、勢いの余り裕一が音にプロポーズする“コント回”が7月24日に再放送となる。第4週「君はるか」から第5週にかけては、作風がガラッとコメディタッチに変わっていくが、それを確信づけたのが第23話だ。

 裕一、音、三郎、光子(薬師丸ひろ子)による全編ほぼ4人芝居。裕一の「お嫁にください!」の言葉をスイッチに、徐々にヒートアップしていく両家の言い争いはまるでコントのようである。演出はコント番組『サラリーマンNEO』(NHK総合)シリーズを手がけ、朝ドラ『あまちゃん』(NHK総合)などを担当してきた吉田照幸。『エール』を演出するにあたって彼は、ライブ感をコンセプトにしていると公式サイトのインタビューで話しているが、まさにそれが4人のやり取りの中に存分に表れている。

 その中心にいるのが、三郎を演じる唐沢寿明。天才編集長の花山を演じた朝ドラ『とと姉ちゃん』(NHK総合)や、窪田正孝との家族ぐるみの関係性が始まるきっかけとなった『THE LAST COP/ラストコップ』シリーズ(日本テレビ系/Hulu)など、唐沢のアドリブの多さは周知の事実だが、『エール』にも多分にそのアドリブ要素が盛り込まれている。光子から薄皮饅頭を口にぶち込まれフガフガと苦しそうにしたり、腹を下し厠に駆け込むシーンは唐沢による即興芝居。そのことを把握した上でもう一度観てみると、コミカルながらもどこか緊張感のあるシーンにも見えてくる。

 そんな唐沢だが、デビュー当初はスーツアクターとしての下積み生活が続いた。1992年のドラマ『愛という名のもとに』(フジテレビ系)でブレイクを果たし、1997年の映画『ラヂオの時間』や2002年の大河ドラマ『利家とまつ~加賀百万石物語~』(NHK総合)、2003年のドラマ『白い巨塔』(フジテレビ系)、2008年の映画『20世紀少年』シリーズなど、やがて多くの主演作を持つ日本を代表する俳優に。父親役としては、2016年のスペシャルドラマ『モンタージュ 三億円事件奇譚』(フジテレビ系)や2019年のドラマ『グッドワイフ』(TBS系)などが数えられるが、『エール』のような父としての生き様を見せる役柄は近年では意外と少ない。

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