『GODZILLA ゴジラ』再び地上波へ “モンスターバース”原点としての魅力

ハリウッド版『ゴジラ』の魅力とは?

 『GODZILLA ゴジラ』が日本国内でも興行的な成功を収めた2年後、東宝も庵野秀明を総監督に迎えて『シン・ゴジラ』(2016年)を製作・公開した。『シン・ゴジラ』は政府が初めて遭遇した巨大不明生物(ゴジラ)にどう対処してゆくかを通して、政治的駆け引きとミリタリー色の濃いドラマが展開されたが、『GODZILLA ゴジラ』が日本のドル箱路線だった平成ゴジラシリーズ(1989年~1995年)のような、ゴジラと敵怪獣の市街地バトルを山場にした作劇だったのを思うと、ゴジラ映画へのアプローチ方法が日本とアメリカで入れ替わったかのようで面白い。

 『シン・ゴジラ』では、政府が巨大不明生物特設災害対策本部という公的な専門部署を設置していたが、『GODZILLA ゴジラ』には、世界各国の巨大生物を研究調査する秘密機関モナークが登場し、これがモンスターバースを繋ぐ存在として大きく関わっている。芹沢博士はモナークの生物科学者という設定だ。モンスターバース第2作にあたる『キングコング:髑髏島の巨神』(2017年)は、モナークの地質学者ランダが、巨大生物の存在を確かめるべく髑髏島への調査隊を編成するのが物語の発端で、第3作『ゴジラ キング・オブ・モンスターズ』(2019年)は芹沢博士の再登場とともに、モナークの科学者夫妻が重要な役割を演じる。

 4作目『GODZILLA VS. KONG(原題)』は、新型コロナウイルスの影響で、公開予定が2020年11月から2021年5月に繰り下げられたが、果たしてどのような形でモナークが関わってくるのか? 置いてきぼりを食わないように、まずはシリーズ1作目『GODZILLA ゴジラ』と、2作目『キングコング:髑髏島の巨神』を順を追ってチェックしておこう。

■のざわよしのり
ライター/映像パッケージの解説書(ブックレット)執筆やインタビュー記事、洋画ソフトの日本語吹替復刻などに協力。映画全般とアニメを守備範囲に細く低く活動中。

■放送情報
映画『GODZILLA ゴジラ』
フジテレビ系にて、6月20日(土)21:00~23:10放送
出演:アーロン・テイラー=ジョンソン、渡辺謙、エリザベス・オルセン、ジュリエット・ビノシュ、ブライアン・クランストン
監督:ギャレス・エドワーズ
(c)2014 Warner Bros. Entertainment Inc., Legendary and Ratpac-Dune Entertainment LLC. All Rights Reserved.

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