『SPEC』が根強いファンを抱えているワケ 戸田恵梨香の役者人生を振り返る象徴的な作品に

『SPEC』が根強いファンを抱えているワケ 戸田恵梨香の役者人生を振り返る象徴的な作品に

 6月11日から6月25日まで、TBSにて連夜『SPEC〜警視庁公安部公安第五課 未詳事件特別対策係事件簿〜』が10年ぶりに地上波再放送されることになった。この贅沢なラインナップに『SPEC』シリーズのファンたちも歓喜しているようだ。

 本作が10年経った今でも根強いファンを抱えているのにはワケがある。戸田恵梨香と加瀬亮のW主演による1話完結型の刑事ドラマだが、まず2人が配属されている通称・「未詳」が取り扱う事件の種類が非常に異常で稀有だ。超能力や特殊能力を持つスペックホルダーによる、常識では考えられない不思議、かつ難解な事件が題材で、毎話現れるスペックホルダーたちは揃いも揃った曲者たちである。

 ただ、それを向かい打つ未詳のメンバーもまた強烈なキャラクターが揃っている。そしてその主人公2人ともに「秘密」を抱えており、実はその秘密同士が大いに関連し合っていることが徐々に明かされていく。IQ201の天才であり大の物理マニアの変人・当麻紗綾(戸田恵梨香)は、京大理学部出身ながら髪はボサボサ、生活能力が著しく欠如している。

 一方、警視庁特殊部隊(SIT)出身の硬派で無骨な瀬文焚流(加瀬亮)。正義感の塊で責任感が人一倍強い。交わるはずのなかった水と油のような相反する2人が、ぶつかり合いながらも事件を解決していくうちに信頼関係を築き、互いを補い合う存在になっていく。共有している秘密、事情も相まって、何より共通敵のある彼らはもともと出会うべくして出会った運命共同体だったのだ。

 第1話から左腕がギブスで覆われている当麻。この怪我もワケありのようで、これが彼女の抱える秘密に関して最大の鍵を握っているのは間違いない。一方、そもそもSITの小隊長を務めながらも突然未詳に左遷されることになった瀬文。この人事は、強盗団の確保時に部下の志村(伊藤毅)を誤射したという疑いをかけられてのことだった。しかし真相は真逆で、突然瀬文の前に躍り出た志村が発砲。ここで時が止まって自分に向かってきた銃弾がUターンし志村に命中。早速第1話でもこれと全く同じ現象が起き、そこに神木隆之介演じる謎の少年が現れる。彼が「にのまえ」と呼ばれる存在で、初っ端からラスボスの風格を醸し出している重要人物だ(実際に彼がラスボスなのか否かはシリーズを観てのお楽しみにとっておこう)。

 また本作をより面白くする要素に、このスペックホルダーという存在が必ずしもわかりやすく敵対相手側にばかりいるとは限らないことが挙げられる。第1話早々にその予兆が映し出される志村の妹の美鈴(福田沙紀)にも何らかの特殊能力が秘められていそうだ。また、志村の主治医である警察病院の医師・海野亮太(安田顕)も秘密を握っているであろう怪しさ満載。

 警察内の人間も不穏な動きを見せる。瀬文の動きを常に監視しているかのような警視庁公安部特務選任部長の津田助広(椎名桔平)もその1人だ。事件は1話完結ながら、回を追うごとにスペックホルダーたちを操るもっと大きな力が確かに存在することが提示されるが、それを突き止めることが主人公2人の秘密・トラウマの解消に欠かせないのであろうことは必至である。

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